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彼女がキレイな理由:広末涼子さん「何色にでもなれるよういつも白でいたい」

 女優の広末涼子さんと「SMAP」の稲垣吾郎さんが幼い娘を事故で亡くす夫婦を演じた“生まれ変わり”がテーマの映画「桜、ふたたびの加奈子」(栗村実監督)が全国で公開中だ。原作となった新津きよみさんの小説が描く“命の循環”というテーマに栗村監督がほれ込み、自ら脚本も担当した。重厚な音楽と、サスペンス的な要素も盛り込んだ不思議な味わいの作品で、広末さんも「監督がドキュメンタリーっぽく撮ってくださっているので、すごく緊張感があって、でも最後は救われました」と話す。そんな広末さんに生まれ変わりについて、また休日の過ごし方、生き方などについて聞いた。(毎日新聞デジタル)

 広末さんは今作で、娘の加奈子を小学校の入学式の直前で亡くし、生きる気力を失って自殺を図るほど落ち込むが、シングルマザーとして生きる決意を固めた女子高生との出会いによって、生まれ変わりを信じ、立ち直っていく女性・容子を演じた。生まれ変わりについて広末さんは「(演じていて)ファンタジーの要素は強いなとは思ったんですけど、そういうことが実際にあるかもしれないというふうに思えました。完成作を見ても台本を読んでいてもありえることではないかなと本当に思えたし、それが母親としての容子の背中を押してくれたことでもあったので、そんな命の連鎖を感じてもらいたいと思いました」と実感したようだ。

 生まれ変わりを「経験としては具体的に感じたことはないんですけど、信じたいなと思います」と話す広末さんに、今度生まれ変わるとしたら何になりたいかとたずねると、「今、生きている世界のことしか考えていないんですけど、いろんなことをいっぱい見たいし、いっぱい経験したいから、女性は現世で体験させてもらっているので、今度は男性の気持ちも分かるといいですね」と答えた。

 自身の性格を自己分析すると、「長所はポジティブ、短所は楽観的すぎるところかな。どっちも同じですね(笑い)。前向きにバランスをとっていきたいです」と笑顔で語る。落ち込んだとしても、「考え込むのは得意ではないので、朝の光を浴びて行動力で直していきたいです」と立ち直りも早いという。

 映画やドラマの出演作が続き多忙な日々を送っているが、休みの日があれば「旅行に行きたいですね。高知県で育ったので、海外とかでも海と空が近いところに行きたいです」と目を輝かせる。

 現在32歳となり、演じる役の幅が広がったことを実感しているが、10年後はどうなっているだろうか? 「30代でいろんな新しい経験、挑戦をさせていただいていて、(10年前の)22歳の自分には想像できない状態に可能性が広がっているので、今後、10年でどうなっていくのか本当に楽しみですね」と将来の自分にわくわくしているようだ。

 女優の仕事は「小さいころからの夢がかなったという意味でも天職だなと思う」と話す広末さん。今後、どんな女優になりたいかと聞くと、「涼子をこういうふうに料理してやろうという監督の意向に合わせて、何色にでもなれるよう、白(フラット)でいたい。どんな色にも変化できるように」と語った。

 最後に、女性が50代、60代になっても輝き続ける秘訣(ひけつ)をたずねると、「何事にも一生懸命に取り組むことではないでしょうか。仕事を持っている人なら仕事に、主婦の方なら家族や子供に対して一生懸命になっている人は輝き続けられると思います」と力を込めた。

 <プロフィル>

 1980年7月18日生まれ、高知県出身。94年にCMでデビュー。95年、「ハートにS」(フジテレビ系)でドラマ初出演。97年、「20世紀ノスタルジア」で映画に初出演した。同作の演技で映画の新人賞を総なめし、以降、第一線で活躍し続けている。日本アカデミー賞では「鉄道員(ぽっぽや)」(99年)で優秀助演女優賞、「秘密」(99年)で優秀主演女優賞と同年にダブル受賞。また、「おくりびと」(08年)、「ゼロの焦点」(09年)で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を2年連続で受賞している。最近の主な映画出演作は「GOEMON」(09年)、「FLOWERS」(10年)、「LOVEまさお君が行く!」(12年)、「鍵泥棒のメソッド」(12年)など。7月から17年ぶりに主演する連続ドラマ(関西テレビ・フジテレビ系)が放送予定。映画「桜、ふたたびの加奈子」は全国で公開中(ショウゲート配給)。

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