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注目映画紹介:「フッテージ」 殺人事件が起こった家に引っ越した作家一家の運命は…

 「クロッシング」(08年)や「トレーニング デイ」(01年)のイーサン・ホークさんが主演の「フッテージ」(スコット・デリクソン監督)が11日に公開された。ホークさんが演じるのは、スランプ中のノンフィクション作家エリソン・オズワルト。彼が妻と2人の子供と引っ越してきた一軒家は、実はこれから彼が書こうとしている新作のネタの舞台、つまり一家の首つり事件と娘の失踪事件が起きた家で、その屋根裏部屋で見つけた映写機と数本の8ミリフィルムの“フッテージ”(素材映像)には、首つり殺人の様子が映っていた……というストーリー。

 一家惨殺事件にそれを映した8ミリフィルム映像、殺害現場となった家に移り住んできた家族に迫る危機と恐怖……。この手の作品では使い古されたアイテムではあるが、見せ方が巧妙なため、なかなかの恐怖が味わえる。人間の好奇心、怖いもの見たさをうまく利用しているところが今作の巧みなところだ。

 オカルトめいた展開もあり、通常、そう書くと途端に現実味が減退するものだが、今作については、それを差し引いても怖さが減少することはない。子供たちの黒ずんだ顔は無気味だし、彼らが首を巡らし、その視線の先を追うと……さすがにその場面では背筋が凍った。エンディングも効果的。「エミリー・ローズ」(05年)や「地球が静止する日」(08年)のスコット・デリクソン監督がメガホンをとった。11日からヒューマントラストシネマ渋谷(東京都渋谷区)ほか全国で順次公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

 <プロフィル>

 りん・たいこ=教育雑誌の編集、編集プロダクションをへてフリーのライターに。映画にまつわる仕事を中心に活動中。横浜赤レンガ倉庫で連休中に開催されたドイツの春祭り「フリューリングスフェスト」に行ってきた。ドイツビールはおいしかったが、食べ物の屋台が少なく、食いっぱぐれたのが残念。

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