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「トラフィック」や「オーシャンズ」シリーズで知られるスティーブン・ソダーバーグ監督の「サイド・エフェクト」が6日から全国で公開される。11月に同じソダーバーグ監督の「恋するリベラーチェ」が公開されるが、あちらは米国ではテレビムービーとして放送されたものを日本で劇場公開するもので、今作の「最後の劇場映画」という触れ込みは、あながち偽りではないという。
ともかく、そのソダーバーグ監督のかつての作品「コンテイジョン」(2011年)に出演したジョード・ロウさん、「オーシャンズ12」(04年)に出演したキャサリン・ゼタ・ジョーンズさん、「エージェント・マロリー」(12年)、「マジック・マイク」(12年)に続いてソダーバーグ作品は3作目となるチャニング・テイタムさんが出演。さらに、「ソーシャル・ネットワーク」(10年)や「ドラゴン・タトゥーの女」(11年)で注目されたルーニー・マーラさんがヒロインにふんし、薬の副作用によって引き起こされた1件の殺人事件を巡る心理サスペンスが展開していく。
発端は、そのヒロイン、エミリー・テイラー(マーラさん)の自殺願望だった。インサイダー取引の罪で収監されていた夫マーティン(テイタムさん)が出所し、それによって鬱症状が治まると思われていたが、エミリーは夫の不在中に自殺未遂事件を起こす。担当となった精神科医ジョナサン・バンクス(ロウさん)は彼女に新薬を処方するが、それが思わぬ事態を招く……という展開。
殺人事件を解決するだけのサスペンス劇にとどまらないところがソダーバーグ監督ならではだ。タイトルの「サイド・エフェクト」は「(薬の)副作用」のこと。ヒロインをとりまく一連の事件には薬の副作用が関係しており、その薬は新薬で、背後では医者や製薬会社の思惑や、市場における“裏事情”などがからんでいる。そのため誰が味方で誰が敵なのかが容易につかめず、それが話を複雑にするとともに面白さを増している。これまでも自身の作品で、政治や経済にまつわる問題をほのめかしてきたソダーバーグ監督だが、今回はそれがさらに研ぎ澄まされ、サスペンス劇と見事に融合した作品に仕上がっている。6日からTOHOシネマズみゆき座(東京都千代田区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)
<プロフィル>
りん・たいこ=教育雑誌、編集プロダクションをへてフリーのライターに。映画にまつわる仕事を中心に活動中。大好きな映画はいまだに「ビッグ・ウェンズデー」(78年)と「恋におちて」(84年)。