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(C)2013「おしん」製作委員会
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(C)2013「おしん」製作委員会

注目映画紹介:「おしん」 新・おしん役の濱田ここねちゃんが熱演 ピン子らも強力サポート

 1983年に放送された橋田壽賀子さん脚本のNHK朝の連続テレビ小説「おしん」。世界68カ国で放送され、多くの人々から愛されている不朽の名作の映画版「おしん」が公開中だ。約2500人の中から選ばれたおしん役・濱田ここねちゃんの力強い芝居が話題となっている。あの有名なテーマ曲も新アレンジで登場。元祖おしん小林綾子さんやおしんの母親役だった泉ピン子さんも出演している。

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 明治40(1907)年早春。山形県最上川上流の寒村で小作農を営む谷村家の父・作造(稲垣吾朗さん)、母・ふじ(上戸彩さん)、祖母・なか(吉村実子さん)、おしんたち兄弟は肩寄せあって暮らしていた。凶作続きで口べらしのために、7歳のおしんは材木屋に奉公に出されることになった。泣いて嫌がるおしんを手元に残すためにおなかの子を堕ろそうと、冷たい川に入る母。それを見たおしんは奉公に出る決心をする……という展開。

 冒頭からしてくぎづけになった。おしん一家の食事シーンが映し出されるが、薄暗く貧しく笑顔のない家。おしんのたくましさと母親との絆が印象づけられる鋭いシーンだ。そういえば、おしんは童話作家で詩人の宮沢賢治とちょうど同世代。明治時代の東北地方は干ばつ、冷害、飢きんなどが続き、農民は貧しかった。今やまるで別の国かと思ってしまうほどの舞台で、おしんを演じる子役のここねちゃんの演技が真に迫っている。赤いほっぺたでけなげに、雪深い厳しいロケーションの中、全身で演技をしている。母親役の上戸さんも氷点下の川に入るなど体当たりの演技を見せる。父親役の稲垣さんは短髪で新境地を開き、一家の大黒柱が小さな我が子に頼るふがいなさを見事に表現している。そして、ドラマに出ていたピン子さんや小林さんががっつりサポート。「貧しい」「暗い」が敬遠されていた時代をへて、いま再び「おしん」が日本人の心に響くに違いない。12日から全国で公開中。(キョーコ/毎日新聞デジタル)

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