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注目映画紹介:「47RONIN」キアヌ主演 日本人キャストも英語のせりふの異色の忠臣蔵

 「忠臣蔵」で知られる赤穂浪士47人の1人にキアヌ・リーブスさんがふんしたハリウッド映画「47RONIN」(カール・リンシュ監督)が6日から公開された。ほかに真田広之さんや浅野忠信さん、菊地凛子さん、柴咲コウさん、赤西仁さんらが出演。彼ら日本人キャストがせりふを英語でしゃべっているのも異色の作品だ。

 徳川五代将軍綱吉の時代。播磨赤穂の地を我が物にしようと企む吉良上野介(浅野さん)のわなにはまり、赤穂藩藩主の浅野内匠頭(田中泯さん)は切腹を余儀なくされる。赤穂藩はお取りつぶし。浅野の娘ミカ(柴咲さん)は1年の喪明けに吉良との婚儀を約束させられ、筆頭家老の大石内蔵助(真田さん)をはじめとする家臣たちは浪人へと身を落とす。そして1年後。大石たちは主君の仇(あだ)討ちに立ち上がるというストーリー。

 リーブスさんが演じるのは、幼いころ、どこからともなく赤穂の地に流れ着き、瀕死(ひんし)の自分を助けてくれた浅野に恩義を感じ、以来、彼に尽くしてきた異端の浪人カイで、ミカと恋仲にあるという役どころ。その設定からして斬新だが、出来上がった作品も「忠臣蔵」をベースにしているがそれとはまったくの別モノで、その変わりようには度胆を抜かれる。だがその一方で、よくぞここまで異国情緒たっぷりに改変してくれたものだと感心する。

 何より、リーブスさんというビッグスターを起用しておきながら、彼だけの映画にすることなく、日本人キャストが同等の活躍をしているところがうれしい限り。リーブスさんを食ってしまうほどの存在感を見せる真田さんをはじめ、今作がハリウッドデビュー作となる柴咲さんと、大石の息子役の赤西さんも大健闘。さらに特筆すべきは菊地さん。吉良の側室の座に納まる妖女という役を粘着質たっぷりに演じており、そのふてぶてしさといったらない。これほど大勢のアジア系キャストをそろえるのには相当な苦労があったはず。スタッフの尽力にも敬意を表したい。6日からTOHOシネマズ日劇(東京都千代田区)ほか全国で公開中。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

 <プロフィル>

 りん・たいこ=教育雑誌、編集プロダクションをへてフリーのライターに。映画にまつわる仕事を中心に活動中。大好きな映画はいまだに「ビッグ・ウェンズデー」(78年)と「恋におちて」(84年)。

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