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西島秀俊主演の最新作で日韓合作のサスペンス映画「ゲノムハザード ある天才科学者の5日間」が24日、公開された。第15回サントリーミステリー大賞読者賞を受賞した司城志朗さんのベストセラー小説が原作。妻を殺された主人公の記憶の謎を軸に、派手なカーチェイスやアクションが展開する。キム・ヒョジンさんや真木よう子さんらが共演している。
デザイン会社に勤める石神武人(西島さん)は自宅で死んでいる妻・美由紀を発見する。その直後に「今日は実家に泊まる」と妻の声で電話がかかってくる。続けて黒いスーツの男2人が家を訪ねてくる。警察だと名乗る男たちに連行された石神だったが、不審に思って逃げ出し、通りがかった車に助けを求めた。運転していたのは記者のカン・ジウォン(キムさん)だった。石神は彼女の助けを借りて、自分の記憶をたどるが、別の記憶が混在していることに気づく。石神は覚えのない薬品名をいったり、思いがけず韓国語が口から出たりする。自身の記憶の謎を追う石神とジウォンは男たちに追われ……という展開。
「美しき野獣」のキム・ソンス監督が、原作を読み企画した。西島さんにぜひにと出演を依頼したという。イ・ジェハン監督「サヨナライツカ」、アミール・ナデリ監督「CUT」、オドレイ・フーシェ監督「メモリーズ・コーナー」と、最近海外の監督の作品に意欲的に出演している西島さんだが、今作では「記憶が上書きされる」という難しい役に挑んでいる。石神という男とオ・ジヌという男、二つの記憶を元に、一人の男が自分を見いだしていくさまがミステリータッチで語られていく。石神の感情の変化も複雑だが、男たちに追われるシーンでは、屋根の上をよじ登るなど、体を張ったアクションが次々に飛び出す。とにかく走っているシーンが多い印象で、記憶が薄れていく焦燥感にかられる心情と、普通の男が追われる身である緊迫感あふれるアクションを、西島さんはほとんどスタントなしでこなしているという。追っ手の2人が薄気味悪い。お陰で今作を見た日の晩、追われる夢を見てしまった。24日からTOHOシネマズ六本木ヒルズ(東京都港区)ほか全国で公開中。(キョーコ/フリーライター)
<プロフィル>
キョーコ=出版社・新聞社勤務後、闘病をきっかけに、単館映画館通いの20代を思い出して、映画を見まくろうと決心。映画紹介や人物インタビューを中心にライターとして活動中。趣味は散歩と街猫をなでること。