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注目映画紹介:「セブンデイズ リポート」 クローンとオリジナルが出会い成長するSF青春作

 7人組ダンス&ボーカルユニット「GENERATIONS from EXILE TRIBE」の白濱亜嵐さんが映画初主演を果たした「セブンデイズ リポート」が8日に公開された。今作は、「めちゃ×2イケてるッ!」など人気バラエティー番組を手掛けてきた近藤真広さん初の映画監督作品で、自分がクローン人間であることを知ってしまった高校生が自身のオリジナルと出会い、それぞれが自分を見つめ直し成長する姿を描くSF青春作品。主人公でクローンとオリジナルの1人2役という難しい役どころを白濱さんが熱演し、主人公が恋心を抱くマドンナ役はNHK連続テレビ小説「あまちゃん」にGMTの一員として出演した山下リオさんが演じている。お笑い芸人だけでなく俳優や映画監督としても活躍する板尾創路さんのほか、波岡一喜さん、羽場裕一さんら実力派・個性派の俳優陣が脇を固める。

 高校生のマエサワリョウタ(白濱さん)は、卒業式を7日後に控え、ウエノミズキ(山下さん)に告白しようとラブレターの文章を考えていた。ある日の放課後、リョウタは偶然、教師の田口(波岡さん)のIDパスを拾い、偶然にも校舎内の隠しドアの中にある研究施設を発見し、自分がクローンであることを知る。しかも自分に残された命は卒業までのわずかな日数しかないことを知ったリョウタは、研究施設でしかなかった学校を飛び出す。街中をさまよいたどり着いたのは、自分が通っていたと信じ込んでいた学校とそっくりの建物。屋上に向かったリョウタは、パンツ一枚の格好をした自分のオリジナルである涼太(白濱さん・2役)と対面する……という展開。

 クローンと聞くと一昔前は夢物語だったが、世界的に注目を集めるiPS細胞など近未来には実現するかもしれないと思わせる状況もあり、物語にも単なるSFでないリアリティーを感じる。映画では、出会うはずのなかったクローンとオリジナルの2人が出会い、クローンが残された人生の生き方を見つめる姿を見て、オリジナルがこれまでとは違った一歩を踏み出す勇気を持つという、絶望と希望が反発することなく、対になったものとして描き出されている。いつの時代も変わらない若者の純粋さや無謀さ、切ない恋心といった青春ドラマ的な要素とSF要素が融合したプロットは秀逸。サスペンスフルな展開の中にコミカルな場面もあってホッとさせられ、しんみりながらもロマンチックなラストに、もし自分のクローンがいたら……と思いをはせた。イオンシネマ板橋(東京都板橋区)ほか全国で公開中。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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