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(C)2014映画「偉大なる、しゅららぼん」製作委員会(C)万城目学/集英社
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(C)2014映画「偉大なる、しゅららぼん」製作委員会(C)万城目学/集英社

注目映画紹介:「偉大なる、しゅららぼん」 琵琶湖を舞台に不思議な力を持つ一族の騒動描く

 「鴨川ホルモー」「プリンセス・トヨトミ」などで知られる万城目学さんの人気小説を映画化した「偉大なる、しゅららぼん」(水落豊監督)が8日に公開された。今作は、琵琶湖畔周辺を舞台に、太古から“不思議な力”を伝承してきた一族「日出家」の跡取りたちが巻き起こす騒動を描いており、俳優の岡田将生さんと濱田岳さんがダブル主演を務める。濱田さんは日出家の跡取りで高校生の淡十郎(たんじゅうろう)、岡田さんがはとこで淡十郎に振り回され戸惑う高校生・涼介を演じるほか、深田恭子さん、村上弘明さん、渡辺大さん、貫地谷しほりさん、佐野史郎さんら、共演陣の奇怪なキャラクターぶりにも注目だ。アイドルグループ「ももいろクローバーZ」の新曲「堂々平和宣言」が主題歌に採用されている。

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 琵琶湖畔の街・石走(いわばしり)に現存する石走城に住み、1300年にわたり不思議な力を継承してきた日出家。跡取りで最強の力の持ち主とされる淡十郎(濱田さん)は、高校生ながら住民からあがめたてまつられている。淡十郎の元に、一族のおきてに従い高校入学を機に不思議な力の修業をするため、分家の涼介(岡田さん)がやって来た。涼介は本家での生活に戸惑うばかりでなく、淡十郎に振り回され、主従関係が出来上がってしまう。ある日、淡十郎は校長(村上さん)の娘・速水沙月(大野いとさん)に恋心を抱くが、沙月は日出家とライバル関係にあり同じく不思議な力を持つ一族の棗広海(渡辺大さん)に恋していることを知り悔しがる。淡十郎の失恋が両家の因縁や街を巻き込み、やがて世界を揺るがす騒動へと発展していく……という展開。

 濱田さんは何かをやってくれるに違いないという見る側の期待を裏切らず、不思議な力を持つ浮世離れしたキャラクターを見事に演じ切っている。岡田さんや深田さんも個性的すぎる人物を生き生きと演じるなど、キャスティングの妙がさえ、物語の面白さを増幅させている。奇想天外な世界観で進んでいくストーリーは滑稽(こっけい)さと力を持った者の悲哀が絶妙なバランスで描かれ、コメディータッチの作風ながらも泣きの要素もあり、意外な人物が重要だったりするなど最後まで興味は尽きない。それにしても赤い学生服に身を包んだ濱田さんと岡田さんのビジュアルは笑いを誘うような奇抜さなのに、なぜかしっくりとなじみ、どこかおしゃれに見えるから不思議だ。丸の内TOEI(東京都中央区)ほか全国で公開中。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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