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米マーベルコミックの人気ヒーロー、スパイダーマンを映画化したシリーズ第2弾「アメイジング・スパイダーマン2」が、4月25日から全国で公開中だ。前作に引き続き、マーク・ウェブ監督がメガホンをとり、スパイダーマンをアンドリュー・ガーフィールドさん、その恋人グウェンをエマ・ストーンさんが演じる。前作は、“新生”とうたいながらもサム・ライミ監督版「スパイダーマン」(2002年)に引きずられた印象を受けたが、今回はライミ監督版とガラリと内容を変え、また演出にもウェブ監督らしさがそこかしこに感じられ、見応えある作品に仕上がっている。
スパイダーマンとなったピーター・パーカー(ガーフィールドさん)は、ニューヨークの治安を守ることで相変わらず忙しい日々を送っていた。今日も自分の高校の卒業式だというのに、オズコープ社からプルトニウムを強奪したロシアのギャング、アレクセイ(ポール・ジアマッティさん)の暴走を食い止め、式に遅れて来る始末。そんなピーターを心配しながらも彼との愛を育もうとするグウェン(ストーンさん)だった。一方、オズコープ社の電気技師マックス(ジェイミー・フォックスさん)は、作業中に実験用電気うなぎの水槽に落ちたことで高圧電流を操るエレクトロとしてよみがえり、ニューヨークの街をパニックに陥れていく……というストーリー。
ピーターの両親がなぜ失踪したのかを説明する冒頭から、すっかり物語に引き込まれた。ピーターの幼なじみハリー・オズボーン(デイン・デハーンさん)の登場、エレクトロ、グリーン・ゴブリン、ライノの3大強敵との戦いなど見せ場もたっぷりで飽きさせない。スパイダーマンが高層ビルからダイブしたり、糸を放って滑空したりと、ひととき、ジェットコースターに乗った気分が味わえるのも今作の魅力。高圧電流を体に帯びたマックスがタイムズスクエアで暴れ回るシーンでは、その場にいた人々の動きが一瞬止まり、その間をスパイダーマンが縫うように動く凝った映像にワクワクさせられた。その一方で、新たな局面を迎えたピーターとグウェンがそれぞれの決断を下すまでの心の動きや、マックスがスパイダーマンの敵になるまでの背景も丁寧に描き、付け入る隙を与えない。BGMを含めて全体に軽快で、スパイダーマン/ピーターの人間的魅力も際立ち、アクションやコンピューターグラフィックス(CG)に頼らないウェブ監督らしい演出に、最後までくぎづけだった。4月25日からTOHOシネマズ日劇(東京都千代田区)ほか全国で公開中。3D同時公開。(りんたいこ/フリーライター)
<プロフィル>
りん・たいこ=教育雑誌、編集プロダクションをへてフリーのライターに。映画にまつわる仕事を中心に活動中。大好きな映画はいまだに「ビッグ・ウェンズデー」(78年)と「恋におちて」(84年)。