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4人組の人気バンド「SEKAI NO OWARI(セカオワ)」の初の映画となる「TOKYO FANTASY SEKAI NO OWARI」(ラファエル・フリードマン監督)が15日に公開される。今作は、メンバーが楽曲制作やライブなどで掲げるテーマ“TOKYO FANTASY”を表現したもので、全国アリーナツアー「炎と森のカーニバル」のリハーサルや本番、舞台裏といったドキュメンタリー映像と、メンバーたちに迫った映像やアニメーションなどさまざまな演出を加えた作品に仕上がっている。セカオワが追求し続けている世界観を、シガー・ロスさんやフェミ・クティさんらのミュージックビデオを手がけるフランスの映像作家のフリードマン監督が独特の手法で映像化した。
デビューから4年で「RPG」「スノーマジックファンタジー」など数多くのヒット曲を送り出し人気バンドに成長したSEKAI NO OWARI。日本武道館でのワンマンライブや昨年開催した初の野外ワンマンフェスティバル、今春の全国アリーナツアーなども成功させている。アリーナツアーを行うメンバーに密着し、リハーサルの模様に加え、新幹線での移動する姿などの素顔を織り交ぜ、現実と虚構を行き来しながらSEKAI NO OWARIのあらゆる面が描き出されていく……という展開。
今作を端的に言い表すと“ファンタジック”という一言に尽きる。リハーサルや移動、打ち上げ風景など、普段は決して見ることができないツアーの裏側を映した映像を中心としたドキュメンタリーかと思いきや、メンバーのイメージシーンやショートストーリー、果てにはアニメーションまであり、幻想的な世界観を作り出している。分かりやすい脚本こそ存在しないが、現実世界とファンタジー世界が融合したまさに1本の“映画”という仕上がり。セカオワが作り出す楽曲がそうであるように、どこか夢を見ているような不思議な感覚が思いのほか見ていて心地よく、次の場面では何が起きるのかというワクワク感で楽しませてもくれる。おそらく言葉で説明するのが難しいであろう、セカオワが掲げる“TOKYO FANTASY”という世界観の一端がここに表現されている。老けメークをした“未来”や4人がカラオケで歌うといった衝撃過ぎる(!)シーンも見逃せない。SEKAI NO OWARI を誰かに勧める時にうってつけの作品かも知れない。TOHOシネマズ日劇(東京都千代田区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)
<プロフィル>
えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もOKと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。