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注目映画紹介:「イフ・アイ・ステイ 愛が還る場所」ヒロイン自らが生死を決断する24時間を描く

 映画「キック・アス」(2010年)でブレークしたクロエ・グレース・モレッツさん主演の映画「イフ・アイ・ステイ」が、11日から全国公開される。世界34カ国で出版されているゲイル・フォアマンさんのヤングアダルト小説を映画化。自動車事故に遭い昏睡(こんすい)状態に陥ったヒロインが、自ら生か死かを“決断”するまでの24時間を描く。

 17歳のミア(モレッツさん)は、チェロ奏者になることを夢見る高校生。先ごろ名門ジュリアード音楽院の試験を受けたばかりだ。ある大雪が降った朝、両親(ジョシュア・レナードさん、ミレイユ・イーノスさん)と弟(ジェイコブ・デイビーズ君)とともに乗った車に対向車が突っ込み、ミア以外の家族は死に、ミアも昏睡状態に陥ってしまう……という展開。

 生死の境をさまようヒロインの魂が、過去の出来事をたどっていく。チェロ好きのミアの才能を伸ばすために両親がしてくれたこと。付き合い始めて1年になる大好きなアダム(ジェイミー・ブラックリーさん)との出会いや初デートのこと……。それらはミアの思い出であり主観だが、どれも共感できるものばかりで、「幸せ」に特別なことは必要ないのだと改めて気付かされた。主演のモレッツさんは本当にきれいになった。正統派の美人ではないが、喜怒哀楽を素直に表現し、クルクルと変わる表情を見ているだけで時間がたつのを忘れた。「ワールド・ウォーZ」(13年)でブラッド・ピットさんの妻を演じたイーノスさんも、ちょっと飛んでいるが娘思いのよき母を好演。監督は、ドキュメンタリー映画「ファッションが教えてくれること」(09年)のR.J.カトラーさん。女優ドリュー・バリモアさんの初監督作「ローラーガールズ・ダイアリー」(09年)で自ら書いた小説を脚色したショーナ・クロスさんが脚本を担当している。新宿バルト9(東京都新宿区)ほかで11日から公開。(りんたいこ/フリーライター)

 <プロフィル>

 りん・たいこ=教育雑誌、編集プロダクションをへてフリーのライターに。映画にまつわる仕事を中心に活動中。大好きな映画はいまだに「ビッグ・ウェンズデー」(78年)と「恋におちて」(84年)。

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