「滝を見にいく」)「滝を見にいく」のワンシーン (c)2014「滝を見にいく」製作委員会
幻の滝を見に行く観光ツアーに参加したおばちゃんたちが、なんと迷子に……。山中で7人のおばちゃんたちがサバイバルする「滝を見にいく」(沖田修一監督)が22日から公開される。「40歳以上の女性・経験問わず」という条件でオーディションをし、劇団員から素人も含めて7人の女性をキャスティング。本能のままに行動する個性的なおばちゃんたちが女性のたくましさを見せつけている。
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山の中を走る観光バス。乗っているのは、幻の滝を見にいく温泉付き紅葉ツアーの客たちだ。年齢も個性もバラバラな7人のおばちゃんたちと男性ガイドの菅(黒田大輔さん)が1人。2人で参加したクワマンこと桑田三枝(桐原三枝さん)とクミこと田丸久美子(川田久美子さん)は病気の話で盛り上がり、一人で参加したセッキーこと関本百合子(荻野百合子さん)は双眼鏡をのぞいている。写真展のために2人で参加したスミスこと三角道子(渡辺道子さん)と花沢敬子(徳納敬子さん)は撮影に熱中。後方に座っていた一人参加同士のジュンジュンこと根岸純子(根岸遙子さん)とユーミンこと谷由美子(安澤千草さん)が、少しずつ会話を交わし始める。バスを降りて山道を歩く一行。しかし、ガイドの様子がおかしい。「すぐに戻る」と言い残し、ガイドはその場を去っていく。大自然の中で取り残された7人は……という展開。
企画がユニークだ。主要なキャストのほとんどが一般人。最も主要な役を演じた根岸さんは、ロケハン案内の裏方で参加予定だった一般市民だ。映画女優になる夢をかなえた人もいるという。美しい秋の山の風景の中、女性の生命力の強さをコミカルに描きながら、おばちゃんたちが少女のようになっていく様子がとても愛らしい。日ごろの憂さを発散させるかのように言い合い、危機にひんすると徐々に結束を固めていく女性たち。中盤から一人一人が背負っているものも見え始めていく。道に迷い、一晩を明かし、朝がくる。すると元気になっている。これって、中年以上の女性の日常そのものかもしれない。「南極料理人」(2009年)、「横道世之介」(13年)などの沖田監督は、山という舞台と7人の女優だけで、想像力をかき立てられる奥行きのあるドラマを生みだした。J−MAX THEATER(新潟県上越市)で先行公開中。新宿武蔵野館(東京都新宿区)ほかで22日から公開。(キョーコ/フリーライター)
<プロフィル>
キョーコ=出版社・新聞社勤務後、映画紹介や人物インタビューを中心にライターとして活動中。趣味は散歩と街猫をなでること。最近一番魅了された俳優は、「西遊記 はじまりのはじまり」(11月21日公開)の孫悟空役ホアン・ボーさん。あの動きは必見です!!
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