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(C)2014 Twentieth Century Fox
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注目映画紹介:「ゴーン・ガール」 肘鉄を食らったような衝撃が待ち構えるサイコスリラー

 映画「アルゴ」(2012年)で監督、主演を務めたベン・アフレックさんと、「アウトロー」(12年)でヒロインを演じたロザムンド・パイクさんが共演した映画「ゴーン・ガール」が12日から全国で公開される。妻の失踪事件をきっかけに、円満と思われていた夫婦の秘密が明らかになっていくサイコロジカルスリラーで、全米で600万部以上を売り上げたというベストセラー小説を、「セブン」(1995年)、「ソーシャル・ネットワーク」(10年)、「ドラゴン・タトゥーの女」(11年)などの作品で知られるデビッド・フィンチャー監督が映画化した。

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 結婚5周年の記念日の朝、妻エイミー(パイクさん)が突然姿を消した。リビングには争った跡が残り、キッチンには血痕を消した形跡があった。夫のニック(アフレックさん)は警察に通報。警察は失踪(しっそう)と他殺の両面から捜査を開始する。ところが捜査が進むにつれ、ニックの行動や発言に不可解なものが見え始め、周囲は彼に疑いの目を向け始める……というストーリー。

 映画は、原作にほぼ忠実に描かれている。事件当日の朝から始まり、そこから「事件発生から○時間後」「発生から○日目」というテロップとともにたたみかけるように進んでいく。そのかたわらで、ニックとエイミーの出会いから結婚、円満だった頃の夫婦生活、やがて夫の本性が見え始め、エイミーが彼を恐れる様子などが描き出されていく。メディアはニックの隠された私生活を暴き、状況証拠は彼が“黒”だといっている。しかしどうも腑(ふ)に落ちない。ニックが本当に殺したのか、それとも……とほとほと悩み抜いたとき、度胆を抜く展開が待ち受けている。今作は上映時間149分と長めだが、その長さをフィンチャー監督は実に有効に使っている。これは、まぎれもなく夫婦愛を描いた作品だ。だが同時に、夫婦の本質、人間のむき出しの感情も描いている。それを見せつけられ、すさまじい勢いの肘鉄を腹に食らったような衝撃に見舞われた。エイミー役パイクさんの迫真の演技が素晴らしい。12日からTOHOシネマズ日劇(東京都千代田区)ほか全国で公開。 (りんたいこ/フリーライター)

 <プロフィル>

 りん・たいこ=教育雑誌、編集プロダクションをへてフリーのライターに。映画にまつわる仕事を中心に活動中。大好きな映画はいまだに「ビッグ・ウェンズデー」(78年)と「恋におちて」(84年)。

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