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「夫婦フーフー日記」のワンシーン (C)2015川崎フーフ・小学館/「夫婦フーフー日記」製作委員会
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「夫婦フーフー日記」のワンシーン (C)2015川崎フーフ・小学館/「夫婦フーフー日記」製作委員会

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注目映画紹介:「夫婦フーフー日記」蔵之介と永作演じる夫婦の掛け合いが切なさを笑いに変える

 俳優の佐々木蔵之介さんと女優の永作博美さんが夫婦役でダブル主演する映画「夫婦フーフー日記」(前田弘二監督)が30日に公開される。映画は、川崎フーフさんの闘病ブログを基に書籍化した「がんフーフー日記」(小学館)が原作。映画化にあたり、死んだはずの妻が残された夫の前に現れるという設定が追加され、育児と仕事に奮闘する夫が、妻とともに歩んできた日々を振り返りながら、夫婦がお互いへの思いを見いだしていく姿を描く。ユーモアの中にもどこか切なさも感じさせる佐々木さんと永作さんの息の合った掛け合いが物語を引っ張っていく。

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 作家志望の「ダンナ」のコウタ(佐々木さん)と、本好きの「ヨメ」のユーコ(永作さん)は出会ってから17年目に結婚。結婚直後に妊娠が分かり2人は喜ぶが、ヨメに悪性腫瘍(がん)が見つかる。ダンナがヨメの病状をブログに記しながら日々を送るうち、ヨメがこの世を去り、ダンナの元にブログを書籍化する話が舞い込む。すると原稿執筆に向かうダンナの前に、死んだはずのヨメが現われ……というストーリー。

 幸せの絶頂から一転して闘病生活となり、幼い子供を残してヨメが他界するという物語のため、切ないはずの状況なのになぜかコミカルな雰囲気に満ちている。闘病のつらさや残された者たちの悲しさといった描写はもちろんあるが、それを吹き飛ばすほどのダンナとヨメによる夫婦漫才のごとき掛け合いが気持ちを和ませてくれる。深刻さが漂う雰囲気の中にも、歯切れのよいテンポ感と軽快なコメディー要素を合わせることで、思わず泣き笑いしてしまう。ダンナと死んだはずのヨメが共に歩んだ日々を振り返っていく姿はかなりシュールだが、エピソードの数々にほっこりさせられ、じんわり感動に浸れる。ダンナ役の佐々木さんとヨメ役の永作さんの演技が絶妙で、切ない中にもポジティブな雰囲気を醸し出し、映画全体が前向きさで満ちあふれている。ハンバーガーを頬張る永作さんの姿がとても愛らしく、夫婦、親子の絆を象徴しているかのようだ。「婚前特急」(2011年)や「わたしのハワイの歩きかた」(14年)の前田監督が手掛けた。新宿ピカデリー(東京都新宿区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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