「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」のワンシーン (C)2015Lucasfilm Ltd.& TM.All Rights Reserved
世界的大ヒットSF映画「スター・ウォーズ」シリーズの10年ぶりとなる最新作「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」(J・J・エイブラムス監督)が18日午後6時半に全国一斉公開される。7番目のエピソードで新たな3部作の第1弾にあたり、ルークやハン・ソロ、レイアといったおなじみの登場人物に、魅力的な新キャラクターも加わって、新たなドラマを紡いでいく。
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1977年の第1作から始まった「スター・ウォーズ」シリーズは、斬新なSFXとドラマチックなストーリーの娯楽大作として、SF映画のイメージと歴史を変えた作品だ。翌年公開された日本での人気も絶大で、ライトセーバーやデス・スターをはじめとする設定や演出は、その後のアニメやマンガに多大な影響を与えた。また、先日亡くなったイラストレーターの生頼範義さんは「エピソード5/帝国の逆襲」の国際版ポスターを手がけたことをきっかけに、海外でも名前を知られるようになった。ライトセーバーの効果音をまねて、ブンブンいいながらチャンバラごっこをしたことのある人も多いはずだ。
そんな大ヒットシリーズの最新作となる今作の舞台は「エピソード6/ジェダイの帰還」から約30年後が舞台。悪の限りを尽くした銀河帝国はルークたちの活躍で滅びたものの、銀河帝国に範をとった「ファースト・オーダー」が勢力を拡大していた。レイア率いるレジスタンスは、ファースト・オーダーに対抗するため、ある出来事をきっかけに姿を消したルークを探す。そんな中、砂漠の惑星ジャクーで、廃品を売りながら孤独に生きるレイは、ルークの居場所を示す地図を持ったドロイドのBB-8、元ストームトルーパーのフィンと出会ったことから、ファースト・オーダーのカイロ・レンに追われることになる……。
レイをはじめとした新キャラクターはいずれも個性的かつ魅力的だ。美しさとたくましさを併せ持つレイは、見る側のイメージを大きく上回る“戦うヒロイン”で、フィンはストームトルーパーなのに逃げ腰だが、次第に勇気を振り絞って戦いの場に身を投じていく。さらに新ドロイドのBB-8は、おなじみのR2-D2よりも二回りほど小さいサイズということもあってとにかく可愛い。さまざまなしぐさが子犬や小動物を見ているように感じられ、ついついほほ笑んでしまう。そして、悪役のカイロ・レンは、マスクを着けていることもあり、かつてのダース・ベイダーを思わせる立ち位置だが、ベイダーとは別の粗削りな側面も持ち合わせている。こうしたフレッシュなキャラクターたちが何をしでかすのか、ハラハラしながら見てしまった。
そして、旧シリーズの“レジェンド”たちももちろん活躍する。ハン・ソロとチューバッカの名コンビは健在で、レイアもレジスタンスのリーダーとしてりりしい姿を見せてくれる。そして、個人的に涙が出るほど興奮したのは、数々の戦いをくぐり抜けてきた伝説の宇宙船「ミレニアム・ファルコン」の登場シーンだ。おなじみのキャラクターが出てくるのはもちろんうれしいが、やはりこのオンボロ高速艇の存在感は格別だった。
作品全体のイメージは、第1作「エピソード4/新たなる希望」に近い印象。ブラスターやライトセーバーを使った生身での戦いに、スピード感のある追跡劇、宇宙空間でのドッグファイトと、アクション面での見せ場に加え、ドラマチックな展開にさまざまな伏線まで盛り込まれ、まさに“原点回帰”といったところ。コミカルな部分もバランスよく含まれ、少しもダレるところがなく、あっという間に終わってしまった印象だ。新旧キャストのどちらにも見せ場があり、新キャストが“レジェンド”たちに決して負けていないのは、今後を考えると頼もしい限りだ。
10年ぶりに我々のところへ“帰還”した「スター・ウォーズ」。3部作の第1弾ということで、まだ2作品楽しめると思うと、うれしい半面、次回作の公開が待ちきれない。とりあえず見つけられていない伏線や小ネタを探すためにもう一度見返し次作に備えるつもりだ。(毎日新聞デジタル/立山夏行)
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