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米国DCコミックスの2大人気ヒーローが激突する「バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生」(ザック・スナイダー監督)が25日に公開される。前作「マン・オブ・スティール」(2013年)に続き、ヘンリー・カビルさんがスーパーマン&クラーク・ケントにふんする一方、「アルゴ」(12年)や「ゴーン・ガール」(14年)のベン・アフレックさんがバットマン&ブルース・ウェインを演じ、そのほか、“続投組”としてエイミー・アダムスさん、ダイアン・レインさん、“ニュー・キャラ組”として「ソーシャル・ネットワーク」(10年)のジェシー・アンゼンバーグさんらが出演。前作に引き続きスナイダー監督が手がけた。
クリプトン星人の正体を隠し、昼は新聞記者として生きるクラーク・ケント(カビルさん)。しかし、その超人的なパワーは、多くの人命を救う一方で街を破壊し、甚大な被害を出していた。そんな彼の活躍を、苦々しい思いで見つめるバットマンことブルース・ウェイン(アフレックさん)。やがて、2人の対決が避けられなくなる中、新たな脅威が人類に忍び寄る……というストーリー。
目玉はやはり、スーパーマンとバットマンの激突だろう。共に正義の味方であるはずの2人が、なぜ戦うことになるのか。その一因となる、前作の、スーパーマンとゾット将軍の死闘を、バットマンの視点でとらえたシークエンスを導入に持ってくるあたりが、まず心憎い。加えて、バットマンとスーパーマンの緊張関係に、スーパーマンに執着する大富豪の実業家レックス・ルーサー(アイゼンバーグさん)の思惑が絡み、人類を震撼させるほどの脅威になっていく過程が、スナイダー監督ならではの壮絶かつ驚異のビジュアルで展開していく。
キャスティングについては、スナイダー監督が「僕らが求めた、人生に疲れているバットマンとしてぴったりだった」と評するアフレックさんは、確かに、戦いに疲れた“うんざり感”を全身に漂わせ、新たなバットマン像を作り上げることに成功している。また、アイゼンバーグさんが、従来のレックスよりも若く、また、抜群に頭が切れ、饒舌(じょうぜつ)で……イラッとさせられるほどのニュー・ルーサーになり切り、こちらもお見事だ。
さらに特筆すべきは、DCコミックスのもう一人の“ヒーロー”、ワンダーウーマン&ダイアナ・プリンスが登場することだ。演じるのは、「ワイルド・スピード」シリーズ(09、11、13年)のガル・ガドットさん。副題の「ジャスティスの誕生」をほのめかす、次回作以降に関わってきそうなキャラクターもチラりと姿を見せ、ライバルのマーベルが着々と“シネマティック・ユニバース”を構築している中、DCコミックスも、いよいよ“DCフィルムズ”の世界を形成し始めたことをうかがわせた。その点で今作は、シリーズ化への布石固め的作品になっている。25日から丸の内ピカデリー(東京都千代田区)ほか全国で公開。3D、IMAXも同時公開。(りんたいこ/フリーライター)
<プロフィル>
りん・たいこ=教育雑誌、編集プロダクションを経てフリーのライターに。映画にまつわる仕事を中心に活動中。大好きな映画はいまだに「ビッグ・ウェンズデー」(78年)と「恋におちて」(84年)。