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福満しげゆきさんのマンガ「生活【完全版】」を基に、東出昌大さん主演で実写化した映画「ヒーローマニア-生活-」(豊島圭介監督)が7日に公開される。映画は、東出さん演じる会社をリストラされたさえない主人公が、謎の身体能力を誇るニート、夜は若者とケンカをする定年間近の会社員、情報収集力が高い女子高生と自警団を結成し、戦いを通して成長していく姿を描く。自警団のメンバーには東出さんのほか、窪田正孝さん、小松菜奈さん、片岡鶴太郎さんが扮(ふん)し、若手とベテランが個性的なキャラクターを演じ切っている。
会社をリストラされ、コンビニでアルバイトをしている中津(東出さん)は、バイト中に起きた事件をきっかけに、驚異の身体能力を持つニートの土志田(窪田さん)と出会い、ヒーローになることを持ちかける。その後、情報収集力に優れた女子高生・カオリ(小松さん)、夜になると悪事を働く若者を殴っているサラリーマン・日下(片岡さん)と出会い、自警団を結成する。夜な夜な悪事を働く者を裁く行為は、次第に市民からの支持を集め、巨大な組織に成長。低料金で警備をする「ともしび総合警備保障」を設立するが……というストーリー。
悪事を働く人間を裁くという勧善懲悪もののような設定でありながら、裁く側は世間的にはうだつが上がらないニートを中心とした自警団という変化球過ぎるヒーロー物語。スタイリッシュかつポップな世界観で物語に引き込まれる。窪田さん演じる土志田が見せるアクロバティックでクールなアクションは華麗だが、そのほかのヘタレで不器用ながら愛嬌(あいきょう)たっぷりのダメさ加減を見せてくれる東出さんや、ときに変顔をはさみつつ自警団の紅一点をキュートに演じる小松さんらとのギャップが新鮮。2人は新境地を切り開いた役どころで楽しませてくれる。
ヒーローものであるためアクションの重要度が高く、各キャラクターの個性がアクションで表現されるなど、アクション映画としても完成度も高く驚かされた。7日から丸の内TOEI(東京都中央区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)
<プロフィル>
えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。