dTV「高台家の人々」について語った小松菜奈さん
映像配信サービス「dTV」のオリジナルドラマ「高台家(こうだいけ)の人々」が配信中だ。今作は、森本梢子さんの人気マンガを綾瀬はるかさん主演で実写化した映画「高台家の人々」(土方政人監督)と連動したドラマで、映画の30年前を舞台に、若かりし頃の高台家の母・由布子と、高台家の父・茂正Jr.(通称・マサオ)の出会いを描く。小松菜奈さんが由布子を演じ、映画では高台家の次男・和正役の間宮祥太朗さんが若き日のマサオを演じている。ドラマオリジナルキャストで由布子を演じる小松さんに、役作りや撮影の様子、見どころなどを聞いた。
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◇由布子役に「実は似ている部分も」と共感
小松さんが演じるのは、映画では大地真央さん扮(ふん)する由布子の学生時代という役どころ。「映画でも人の目を見て物事をはっきり伝えるという印象が強かったので、そのことは意識しました」と切り出し、「由布子は曲がったことが嫌いで育ちがいいという背景もあるので、凜(りん)としたたたずまいや動き方も気を付けています」と説明。そして、「そうはいっても、あまり映画に引っ張られ過ぎないように注意もしつつ、キャラクターの土台がぶれないことを大事に、と意識しました」と振り返る。
正義感が強く、しっかり者のスポ根少女という由布子の性格について、「口調は割と辛口ですが、友達が困っていたら助けたり、周りを気にせず純粋に行動できるところは演じていて気持ちがいい」と笑顔を見せ、「辛口だけど、実は甘えたい部分もあって、自分にもそういう一面はあるのではと思わせてくれるようなキャラクターは身近に感じました」と親近感を感じたと話す。
自身の性格と比べて、「物事をはっきり言ったり、思い立ったらすぐ行動するところは似ているかも」と小松さんは自己分析し、「あまりアクティブなイメージを持たれませんが、実は由布子と似ている部分もあります」とほほ笑む。
◇由布子とマサオの掛け合いでは「テンポを意識」
由布子の相手役であるマサオは、大学の人気者である一方で、空気を読めないというキャラクターだが、「真っすぐに気持ちを伝えてくれる部分は分かりにくい人よりは好き」と評すも、悪気がないのだが複数の女性を同時に好きになり、さらに由布子の親友と別れた直後に告白してくることについては、「それはなしです」と苦笑い。「親友はやっぱり特別で、なんでも話せる存在ですから、恋愛が原因で仲が悪くなるようなら、私は身を引くと思います」と持論を語る。
正反対のような性格である由布子とマサオによる掛け合いも今作の魅力の一つで、「会話のテンポ」が撮影では大切だったと小松さん。「由布子のようにはっきりと物事を言う人は、(口調の)テンポが速い」と印象を語り、「監督からも『テンポよく』と言われたのですが、手こずりました」と明かすも、「私はあせりが顔に出ないタイプなので、常に堂々としている由布子の役柄には生かせているかもしれません」という。
テンポよく進む由布子とマサオの掛け合いに、「ついていけなくて連続で間違えたりもしたのですが、間宮さんが『あせらなくて大丈夫』と笑顔で受け止めてくださるなど気を使っていただき、優しい方だな、と……」と感謝する。
◇「ドラマ版から見てほしい」とアピール
ドラマは携帯電話が普及していない時代が舞台の物語だが、「今はメールで告白する人もいるようですが、私にはちょっと分からなくて……」と切り出し、「もちろん便利だとは思いますが、ちゃんと面と向かって気持ちを伝えるからいいのにと思う」と小松さんは率直な意見を述べる。続けて、「SNSのお陰で世界が広がったり、新しいことを知ったりもできますが、直接コミュニケーションをとって情報を得ることも必要なのでは」といい、「マサオさんのように相手の顔を見て好きと言った方が気持ちが伝わると思う」と対話の重要性を説く。
30年前という時代設定では、「古着が好きで、昔のワンピースを扱うお店も普段からよく行きます」と話す小松さんは、「すごく可愛い衣装がたくさんあって、共演者の皆さんを見るだけでもテンションが上がります」と充実感をにじませ、「髪形も昔風の薄前髪だったり、セットもすてきなインテリアが置いてあるなど新鮮で楽しい」と笑顔を見せる。
◇刺激的な作品は楽しい
今作では恋心に悩む少女を演じている小松さんだが、「渇き。」(14年)や「ディストラクション・ベイビーズ」(16年)といった刺激的な作品でも存在感を発揮している。「いろいろ役のお話をいただけることはうれしく、ぶっ飛んだ役をできることもありがたいと思います」と小松さんは語り、「一見地味に見えるけれど殺人鬼だったとか、今後はもっと悪い役もしてみたい」と思いをはせる。そして、「もちろんハッピーなものも楽しいですが、刺激的な作品でどう演じようかと考えることは楽しい」と目を輝かせる。
今作の魅力を「昔のピュアな恋愛が見られると思います」と小松さんは言い、映画がドラマと同時に公開されたが、「ぜひドラマ版から見てほしい」とアピール。「映画は人の気持ちが読める“テレパス”という能力が登場しますが、dTVオリジナルドラマでは、能力を持たない由布子とマサオの純粋な愛が描かれています。マサオと由布子の物語を先に見ておけば、より映画も楽しんでいただけるのではと思います」とメッセージを送った。ドラマはdTVで配信中。
<プロフィル>
1996年2月16日生まれ、東京都出身。2008年から雑誌を中心にモデルとして活動し、CMやミュージックビデオなどにも多数出演。14年には「渇き。」で映画デビューを飾る。主な出演作に「近キョリ恋愛」(14年)、「予告犯」(15年)、「バクマン。」(15年)、「ヒーローマニア-生活-」(16年)、「ディストラクション・ベイビーズ」(16年)などがある。また16年には、出演した映画「溺れるナイフ」「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」などの公開を控えている。
(インタビュー・文・撮影:遠藤政樹)
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