あなたにおすすめ
東京国際映画祭:綾瀬はるか、井上真央、米倉涼子がドレスアップ 芳根京子は振り袖、水原希子、河合優実、菊地凛子も
フリーアナウンサーの黒塚まやさんが、言葉やファッションなどから美しさへの道を考える「黒塚まやのステキ美人道」。今回は日本語のアクセントについて語ります。
◇
「言葉は時代とともに変化するもの」と、以前、このコラムでも書いたことがあります。アクセントや言い回しなど最近乱れているなと思うものも、それが正しくなることもあるのです。
言葉を生業(なりわい)にしている人などは必ずと言っていいほど利用しているアクセント辞典。自分の発する言葉のアクセントはこれでいいのか、二通りのアクセントがあるけれど、どちらが正しいのかなど確かめるために使っているものです。一般に販売されているので、見たことがある人もいらっしゃるのではないでしょうか。
数種類、出版されていますが、最近、NHKの新しいアクセント辞典が販売されました。18年ぶりの大改訂です。頭高(あたまだか=1拍目の音が高く、2拍目の音から低くなるアクセント)なのか、平板(へいばん=1拍目の音が低くなるアクセント)なのかなど、表記の仕方も大きく変わっていましたが、これまで一通りのアクセントしかなかった言葉が二通りになるなど許容範囲が広くなっているものもありました。
例えば、動物のクマ。これまでは「眼の下のくま」と同じ平板(ただし次にくる助詞などは下がる)のアクセントしかなかったのですが、従来のアクセントに頭高も加わり二通りになっていました。
私が新人アナウンサーだった頃、「○○でクマが出ました」というクマ出没のニュース原稿を読む機会がありました。それまでの私は、クマと言うと頭高アクセントの「くまのプーさん」の認識しかなかったので、原稿の下読みをしているときにニュースデスクから違いを指摘されて、ハッとしてアクセント辞典を聴いたのをよく覚えています。それでも当時、生まれてから約20年間の思い込みアクセントを直すのにとても苦労しました……。そんなクマも今となっては、私の間違いアクセントも正しいということなのですよね。
やはり言葉は奥深い。もちろん、これまでの表現も大切にしながら、臨機応変に対応することが求められそうです。
<プロフィル>
くろつか・まや。1980年9月14日生まれ。神奈川県出身。法政大学社会学部卒業。これまでテレビ山梨アナウンサー、TBSニュースバードキャスター、TBS「はなまるマーケット」などを担当。現在はJ-WAVEニュースルームアナウンサー。山梨県の魅力をPRする「やまなし大使」も務めている。