名物の「壁湯洞窟温泉」。1時間はつかってほしい
“おんせん県”と名乗るだけあって、大分県には素晴らしい温泉がたくさんあるが、気温が高くなってきて、熱い温泉に入るのがおっくうになってくるこの季節に訪れたいのは一軒宿「壁湯(かべゆ)天然洞窟温泉 旅館 福元屋」(同県九重町)だ。湯温39度という適度なぬるさで、とても快適に入浴できるだけでなく、湯につかりながらたくさんの蛍が舞うのを見ることができる。
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同旅館の代表的な風呂は「壁湯洞窟温泉」。300年以上前から、洞窟の岩壁からこんこんと湯が湧いているため“壁湯”と名付けられた。湧きたての湯を空気に触れる前に楽しめる貴重な温泉だ。じっくりつかっていると、体に柔らかい泡がまとわりつき、しばらくすると血行が促進されて体がホカホカしてくるのが感じられる。余分な角質が“オフ”されるので、湯上がりにスキンケアをするとつるんとなめらかな肌に。
さらに蛍の季節は、川の中にある野天風呂「蛍見の湯」も解禁になる。「壁湯洞窟温泉」「蛍見の湯」ともに混浴で、女性宿泊客は無料で湯浴み着(入浴専用のバスタオル)を借りられる。敷地内の別棟にも二つの風呂があり、一つは女性専用の洞窟風呂だ。また館内に、空いていればいつでも入れる貸切風呂があり、「最後は熱い湯に入りたい」という人におすすめだ。
建物は、ノスタルジックな民芸調の木造2階建てで客室は全9室。食事はすべて女将(おかみ)の手作りで、地元で取れた旬の食材を、壁湯の源泉を使って調理している。米は、自前の田んぼで作付けした「ひとめぼれ」と“香り米”と呼ばれる「壁湯福米」をブレンドし、直前に精米して源泉で炊き上げている。その名の通り香りが良く、ついついおかわりをしてしまう。
この初夏は、川のせせらぎと小鳥の声をBGMに、のんびり壁湯温泉につかって過ごしてはいかがだろうか。
<プロフィル>
朝香。モデル・美肌温泉家。慶応大卒。温泉ソムリエアンバサダーなど数々の温泉資格を持ち、日本温泉気候物理医学会など多数の学会に所属。美容効果が期待できる温泉やその効能をより引き出す入浴法を広めようと日々活動している。自治体の観光PRの監修・アドバイザーなども務める。
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