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7日に愛知県内で開幕する「あいち国際女性映画祭2016」を前に6日、名古屋市内で会見が開かれ、オープニング作品として監督・主演作品「火 Hee」が上映される女優の桃井かおりさんが出席した。日本で唯一の女性にスポットを当てた映画祭で、桃井さんは「女の人にしか撮れない映画が絶対にある」と映画の現場での女性を取り巻く環境について語った。
桃井さんは「海外のいろいろな映画祭に行くと、各国から女性のいい監督が来ているのに、日本の女性の監督には、なかなか会えない。(会えるのは)河瀬直美さんとか何人か。出てこられない訳があったんだろうという気がします」と述懐。さらに「19歳から女優をやっていて、どうしてこんなに仕事場に女の人がいないんだろうかって、ずっと思ってきた。女の人に会うことはほとんどなくて、それでも女のドラマを撮っていたりする」と嘆き、「だから女性の監督を応援したい。海外でも若い監督、無名の監督でも女性に誘われたら、絶対に断らないようにしています。女性だから、一緒に仕事をしてみる価値がある」と考えを語った。
一方で「自分から発信していく時代になって、新しい若い監督が、新しい考え方で、1人で作って、1人でYouTubeで“発射”していくというやり方もできる。これから女の監督、無名の監督がいっぱい(世に)出てくる時代がやってくると思う」と期待しつつ、「(その結果、作品が)映画じゃなくなる可能性がある」と懸念も。「クオリティーを支えるのは映画祭。テレビや個人的な“発射”とは違う関所になって、映画のクオリティーを守っていただければ」と期待を込めた。
会見にはほかに「Daughter」を手がけたパキスタンのアフィア・ナサニエル監督、「わたし、ニューヨーク育ち」を手がけたマレーシアのジェス・チョン監督、「あい 精神障害と向き合って」の宮崎信恵監督、「start Line スタートライン」の今村彩子監督、「厨房男子」の高野史枝監督、同映画祭の運営委員を務める野上照代さんが出席した。
「あいち国際女性映画祭」は1996年にスタートし、今回が21回目。女性を取り巻く問題や生き方など、さまざまなテーマの作品を上映するほか、ゲストトークなどを通じて社会のあり方について考えることを目的としている。今回はウィルあいち(名古屋市東区)を中心に、半田市、弥富市などで開催。国内外で活躍する女性監督の新作を中心に、六つの日本初公開作品を含む23作品、短編11作品を上映する。クロージング作品として吉永小百合さんが主演する「母と暮らせば」が上映される。11日まで。