松代温泉の湯。湧きたては無色透明だが空気に触れると茶褐色になる
松代温泉はJR長野駅からバスで30分ほどの松代町(まつしろまち)にある。かつて真田信繁(幸村)の兄・真田信之が初代藩主として治めた信州松代藩の城下町として栄えた町で、温泉は赤褐色のにごり湯が特徴。国民宿舎松代荘、信州松代ロイヤルホテル、加賀井温泉一陽館などで入浴できる。
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現在は一陽館が加賀井温泉と名乗っているが、以前は松代温泉全体が加賀井温泉と呼ばれていた。手つかずの100%源泉かけ流しにこだわっているのは松代荘と一陽館。泉温は39~45℃で、泉質は松代荘が含鉄-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉、信州松代ロイヤルホテルがナトリウム-塩化物泉、一陽館がナトリウム・カルシウム-塩化物泉と施設や源泉によって異なる。
いずれも二酸化炭素が豊富で泡つきがよい。そしてかなり成分濃度が高く、保温力・保湿力にすぐれた女性のためともいえる泉質。また殺菌力もあるため切り傷や化膿(かのう)したニキビなどにも効果が期待できる。混浴の施設もあるので湯浴(あ)み着など持参すると便利だ。
近くの真田家の菩提(ぼだい)寺「長国寺」には真田信之の御霊屋(みたまや)や、真田家の墓所などがある。松代町にはほかに真田氏が10代にわたり城主となった松代城跡などみどころも多い。
松代温泉の開湯は鎌倉時代とも言われ、武田信玄が兵たちの傷を癒やした隠し湯という逸話もある。さまざまな武将や真田信之も入ったかもしれないと思うと、感動もまたひとしおだ。
<プロフィル>
朝香。温泉ソムリエアンバサダー。大学時代に日本中世史を専攻、さまざまな地域の歴史について学ぶ。モデルとして、ショーを中心に活躍する一方、温泉の魅力やその効能を引き出す入浴法を広めようと活動している。
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