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向井理:主演映画撮影中は燻製作りに夢中 “絶対舌感”の蘭丸役は「他の人がやっていたら嫉妬」

 向井理さんが“絶対舌感”という特殊能力を持つ朝永蘭丸を演じた主演映画「RANMARU 神の舌を持つ男」(堤幸彦監督)が公開中だ。蘭丸が木村文乃さん演じる甕棺墓光(かめかんぼ・ひかる)、佐藤二朗さん演じる宮沢寛治と、行く先々の秘湯で事件に巻き込まれる……というコミカルミステリー。撮影は山梨県南巨摩(みなみこま)郡の「妙蓮の滝」の近郊にある赤石温泉などで行われ、向井さんは撮影の合間に燻製(くんせい)作りを楽しんだという。向井さんと佐藤さんに話を聞いた。

 同作は、向井さん主演で今年7月期にTBS系で放送された連続ドラマの続編。劇場版では、ドラマで謎の温泉芸者ミヤビに失恋した蘭丸が傷心旅行の途中、ひょんなことからある村の温泉街で働くことになり、またしても事件に遭遇してしまう。向井さん、佐藤さん、木村さんのほか、市原隼人さん、木村多江さんらも出演している。

 撮影は、ドラマを含めると今年3月から約5カ月間にわたって行われ、映画は京都、静岡、山梨で撮影された。秘湯を巡るという物語の性質上、主に住宅や繁華街から離れた場所で行われ、寒さや暑さなどの環境面や、せりふの多さ、拘束時間の長さなどで、2人は「過酷でしたね」と口をそろえる。

 そんな長期のロケで、お互いに新たに発見したところを聞くと、佐藤さんは「(向井さんは)キャンプ好き」と明かす。「燻製のキットを東京から持ってきてくれて作ってくれたんです。僕も向井さんもお酒が好きで、毎日晩酌(ばんしゃく)を楽しむんですけど、周りに店はないし、あっても店がやっている時間に(撮影が)終わらない。ベーコンや、チーズの燻製を(作ってくれて)ホテルに帰ってから晩酌をしていました。おいしかったなあ」と目尻を下げる。

 向井さんも「僕が具材を買っておいて、山の中で火を付けてスモークして……。おいしかったですね」と満足げ。佐藤さんが「向井さんは途中からお芝居よりも燻製の出来が気になってました」とジョークを飛ばすと、「そうですね。ちょっとカットがかかったらすぐ見に行っていました」と笑顔で振り返る。「湿度など天候でうまく燻製ができないこともあった」といい、そんな時は「本気で落ち込んでいた」と明かした。

 一方、向井さんは、佐藤さんについて「衝撃的だったのは、空き時間に(お酒を)飲んじゃっているという……。昼休憩が2時間ぐらいあったとき、お鮨(すし)屋さんで……。1杯ぐらいだったら、ランチビールというのもありますけど、日本酒を飲んでいましたから!」と暴露。佐藤さんは「(撮影が)本当に大変だったんですよ。これはもう、待ち時間に1、2杯飲むぐらいは演劇の神様も許してくれるだろうと思いまして。断言しますけれど、17年間、映像をやってきて、空き時間に飲むのはこの作品が初めてです」と苦笑いだった。

 インタビューの最中、撮影について何度も「過酷」「大変」という言葉を口にした2人。しかし、どの場所も思い出深いようで、向井さんが「もう1回行きたいですね」と言うと、佐藤さんも「そうなんだよね。きつい思いをした現場って、プライベートで行きたくなるんです」と同意する。佐藤さんはすでに、ファンと行くツアーで赤石温泉を訪れたといい、「改めて秘湯でした。なんにもないところに道だけがあって。とんでもないところで撮影をしていたんだなって(思った)。この部屋で、この廊下で、このトイレで……大変だったなあとか思い出しながら(滞在した)。気楽な気持ちでまた行きたいですね」としみじみと語った。

 今作では、黒縁メガネのちょっとダサい姿で、世間知らずで憎めず可愛らしい蘭丸を演じた向井さん。「これだけ“ガッツリ”と堤監督のやりたいことをやれたこと、おもちゃ箱をひっくり返したような前代未聞のチャレンジングな作品に呼んでもらえたのはすごくありがたいこと」と感謝し、「もしこれを他の人がやっていたらすごく嫉妬(しっと)していると思います。取られたくない。本当にやってよかった」と感慨深げだ。

 さらに「この作品が自分にとってどういうものになるかは、まだ正直、分からないです。10年後、20年後に、こんなこともやったなあという作品の代表格になるのは間違いないですね。過酷なこともたくさんあったし、せりふの量も多かったから大変だとは思っていましたけれど、今、思うとすごく楽しかった。こういう企画ってないですから。温泉地を巡ったり、ふんどしで走り回ったりとか。意味が分からないですよね」と充実感をにじませた。映画は全国で公開中。

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