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NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」で主演を務める女優の柴咲コウさん。1月の放送スタートから約3カ月が経過したところだが、現在の状況について「何も心配はしていないです。流れに不自然さを感じていませんし、核となる脚本、そこに書かれている一文、一文字、表現、空気感がやっぱり面白いので。(視界も)良好な感じ、快走しています」と笑顔を見せる。26日放送の第12回では、主人公がついに「直虎」を名乗るが、「特に演じ分けようという気持ちはないんですけれど、大きな転換期で、生まれ変わるつもりでやっている部分はある」と明かす柴咲さんに、“城主”としての役への思いなど聞いた。
「おんな城主 直虎」は56作目の大河ドラマ。主人公の直虎は、幕末の大老・井伊直弼の先祖で、徳川家康の重臣・井伊直政の養母にあたる人物。井伊家当主・直盛の一人娘として生まれるが、幼くして許婚(いいなずけ)と生き別れ、その後、出家。やがて男の名で家督を継ぎ、今川、武田、徳川が領地を狙う中、知恵と勇気を頼りに、仲間と力を合わせて国を治め、幼い世継ぎの命を守りながら、生き延びていく……というストーリーが展開する。
◇自分の中で「ある種ここからが本編」
第12回は、出家の身である次郎法師(柴咲さん)が、幼なじみの直親(三浦春馬さん)の死をきっかけに、男名の「直虎」を名乗り、井伊家の家督を継ぐことを決意する大きなターニングポイントが描かれる。柴咲さんの装いも、墨染めの僧侶姿から袴に掛けの着物姿へと変貌。これまで隠してきたおかっぱ頭をさらし、「我は、井伊直虎である」と宣言するシーンも登場する。
柴咲さんは「昨年末くらいに撮っていたんですけれど、あんまり覚えてないというか(笑い)。“スポン”って役に入るとあまり意識がないというか、どういう気持ちで演じていたのか覚えてないくらい気持ちがいいというシーンは他にもあって……。いろいろなことがかみ合って、違和感もなくて、『我は、井伊直虎である』って宣言するところも、気持ち悪さとか何もないから、ある意味で何も残らなかった」と振り返る。
衣装の雰囲気もガラッと変わっているが、「こう言ったら誤解が生まれるかもしれないんですけれど、自分の中である種、ここからが『本編』だなって。ポスタービジュアルにも出ていたので『やっと来た!』っていうのはありましたね」としみじみ。「彼女(直虎)って瞬間、そのときというのをすごく大事にしていて、亀(直親)の現身(うつしみ)となって生きていくって、どん底の中それが一種の光となって、『それしかない、突き進むしかないんだ』って」と直虎の気持ちも代弁する。
◇城主の席は「景色が全然、違う」
柴咲さんも「ある種ここからが『本編』」というように、城主となった直虎は、もう一人の幼なじみの政次(高橋一生さん)と虎松(のちの直政)の後継争いで激突したり、直親の“隠し子”問題に頭を悩ませながらも、知恵と勇気を頼りに、仲間と力を合わせて国を治め、幼い世継ぎ(虎松)の命を守りながら、たくましく生き延びていくことになる。
柴咲さんは「直虎さんはただやみくもに、いろないろなことがとっ散らかったまま突き進む人ではなく、その中でひらめき、打開策を見いだす力のある人。少しずつですけれど成長して、冷静さや客観性を持って、自分たちがどう見られるかちょっとずつ身に着けながら、直親の現身として、井伊のため、民のために生きるんだっていう姿勢をずっと貫いていくというところを見てもらいたい」と見どころをアピールする。
そんな柴咲さんに、これまで直虎の父・直盛(杉本哲太さん)の定位置だった“城主の席”に座った印象を聞くと「なんだかんだ自分の性格上、何かをコントロールしたい、プロデュースしたい、客観的に見ていたいというのがあるので、あの席はいいですね」とにっこり。「座ってみると景色が全然違う。君臨して人を下に見てしまうことがあるのかと思っていたんですけれど、全然そんなことはなくて。客観的にいろいろな人の気持ちを汲み、バランスを見ながら、探ってみたり、調整したりする席なんだって。回数を重ねるごとにそれができていく直虎さんが描かれていければいいなと思います」と話していた。
NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」は、NHK総合で毎週日曜午後8時ほかで放送。