映画「暗黒女子」のワンシーン(C)2017「暗黒女子」製作委員会 (C)秋吉理香子/双葉社
今週末に公開される映画の注目作をピックアップする「今週シネマ」。3月31日には、本年度の米アカデミー賞で作品賞を獲得し、助演男優賞、脚色賞の3部門を受賞した話題作「ムーンライト」(バリー・ジェンキンス監督)が公開。4月1日には、宗教団体「幸福の科学」への出家を表明したことで話題となった清水富美加さんと「MARS ただ、君を愛してる」(2016年)の飯豊まりえさんがダブル主演した「暗黒女子」(耶雲哉治監督)、ブロック玩具「レゴ(R)」の世界観をモチーフにした「レゴ バットマン ザ・ムービー」(クリス・マッケイ監督)などが公開される。
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「暗黒女子」は、秋吉理香子さんの同名の“イヤミス”(読後に嫌な気持ちになるミステリー)小説が原作。聖母マリア女子高等学院で、全校生徒の憧れの的の文学サークル会長の白石いつみ(飯豊さん)が謎の死を遂げ、文学サークルの誰かが彼女を殺したといううわさが立つ。いつみの親友だった澄川小百合(清水さん)が会長となって「いつみの死」をテーマにした自作の物語を朗読する定例会が開催され、サークルのメンバーはそれぞれ別の“犯人”を告発する物語を朗読していくが……というストーリー。清野菜名さん、玉城ティナさん、小島梨里杏さん、平祐奈さんらも出演しており、「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」などのヒットアニメを手がけた岡田麿里さんが実写映画の脚本を初めて担当している。“黒い”部分を出した主演2人の渾身(こんしん)の演技が見応え十分で、ラストの大どんでん返しの謎解きにも驚かされる。
「レゴ バットマン ザ・ムービー」は、2014年に公開された「LEGOムービー」に登場した「レゴバットマン」が主人公で、世界を乗っ取ろうとする悪者たちとの騒動を描いた作品。悪いやつらから街を守るヒーローのレゴバットマンは、実は寂しがり屋の“かまってちゃん”で、ある日、元気すぎる新入りのロビンがやって来るが、バットマンはロビンのせいでペースを乱されてしまう。そんな中、ジョーカーが世界を乗っ取ろうと悪の軍団を目覚めさせ……というストーリー。CGで描かれた、実際にレゴで作り上げられたかのような街やキャラクターの造形や、コメディータッチながら家族愛や友情といったテーマも盛り込まれたストーリーに注目したい。
「ムーンライト」は、マイアミの貧困地域を舞台に、自分の居場所を探し続ける主人公の成長を三つの時代の中で色彩豊かに語っていくヒューマン作。ブラッド・ピットさんが製作総指揮を務めている。麻薬常習者の母親と2人暮らしで学校でいじめられているシャロンは、唯一心を開くことができた同級生ケビンに初恋のような感情を抱くが、ある事件が起こり……というストーリー。子ども時代、ティーン時代、青年時代と、主人公の人生を三つの時代に切り取り、成長過程のシャロンと大人の関係が丁寧に描かれている。実写に色を足して加工したカラーリストが作り出した美しい映像も注目だ。
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