映画「メッセージ」のワンシーン
今週に公開される映画の注目作をピックアップする「今週シネマ」。19日には、今年の米アカデミー賞で作品賞など8部門にノミネートされ、音響編集賞で受賞したSF作「メッセージ」(ドゥニ・ビルヌーブ監督)、テレビアニメ「四畳半神話大系」「ピンポン THE ANIMATION」などで知られる湯浅政明監督が手がけた劇場版アニメ「夜明け告げるルーのうた」が公開。20日には、モデルで女優の山本美月さんとアイドルグループ「Hey! Say! JUMP」の伊野尾慧(いのお・けい)さんのダブル主演「ピーチガール」(神徳幸治監督)が公開される。
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「メッセージ」は、エイミー・アダムスさんが演じる言語学者が、宇宙人との対話を試みる中で、彼らからの“メッセージ”に迫っていくという内容。米国の昔のお笑いコンビから「アボット」と「コステロ」と名付けられた2体の宇宙人の造形をはじめ、従来のSF映画とは一線を画す神秘的で哲学的なストーリーに魅了される。原作はテッド・チャンさんの小説「あなたの人生の物語」。10月公開の「ブレードランナー2049」も手掛けているビルヌーブ監督がそこに映画的な味付けを施し、緊迫感あふれるクライマックスも用意されている。
「ピーチガール」は、上田美和さんが「別冊フレンド」(講談社)で連載したマンガが原作。女子高生の安達もも(山本さん)は、元水泳部員。日焼けした黒い肌や塩素で色が抜けた赤い髪というギャル風の外見のせいで、周囲から誤解されているが、実は中学時代からの同級生のとーじ(真剣佑さん)をいちずに思い続けるほど純真だった。しかし、学校一のモテ男、カイリ(伊野尾さん)とキスをしたといううわさが突然流れ……というラブストーリー。「5分に1度、恋の事件が巻き起こる」をテーマに、スピーディーで先の読めない展開で感情を揺さぶられる。
劇場版アニメ「夜明け告げるルーのうた」は、独創的な映像表現で“鬼才”とも呼ばれる湯浅監督初の完全オリジナルの劇場版アニメ。少年と人魚の少女の出会い、少年の成長などが丁寧に描かれている。寂れた漁港の町、日無町に住む中学生のカイが、人魚のルーと出会い、交流を深めることで次第に心を開いていく……というストーリー。「午前3時の無法地帯」などのマンガ家、ねむようこさんがキャラクター原案、「ガールズ&パンツァー 劇場版」などの吉田玲子さんが脚本を共同担当している。
そのほか20日には、「EXILE」HIROさんの初プロデュース作で、「劇団EXILE」の青柳翔さんが主演した時代劇「たたら侍」(錦織良成監督)、「シドニアの騎士」で知られる弐瓶勉(にへい・つとむ)さんのデビュー作が原作で、弐瓶さんが自ら総監修として全面協力し、再構成した完全新作ストーリーの劇場版アニメ「BLAME!(ブラム)」(瀬下寛之監督)が公開される。
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