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米マーベル・コミックの人気キャラクター“ウルヴァリン/ローガン”の最後の戦いを描いたアクション大作「LOGAN/ローガン」(ジェームズ・マンゴールド監督)が、6月1日からTOHOシネマズ日劇(東京都千代田区)ほかで公開される。シリーズ1作目の「X-メン」(2000年)からウルヴァリンを演じてきたヒュー・ジャックマンさんにとっても、最後のウルヴァリン役となる。シリーズ初のR15+指定作品だけあり、ストーリーにも描写にも、大人向けの味付けがなされている。
ときは2029年。ミュータントの大半が死滅し、長年の激闘で疲れ果てたローガン(ウルヴァリン=ジャックマンさん)も、もはや不死身ではなかった。雇われのリムジン運転手として働く彼は、メキシコ国境近くの荒野にある廃工場で、やはり衰弱しテレパシー能力をコントロールできなくなったチャールズ・エグゼビア/プロフェッサーX(パトリック・スチュワートさん)と、太陽光の下では生きられないキャリバン(スティーブン・マーチャントさん)と暮らしていた。そんなある日、ローガンは、看護師ガブリエラ(エリザベス・ロドリゲスさん)から、ローラ(ダフネ・キーンさん)という少女をノースダコタまで送り届けてほしいと頼まれる。実はローラは巨大武装集団に追われていた……というストーリー。
まず衝撃を受けたのは、ローガンの変貌ぶりだ。髪の毛はぼさぼさ、無精ひげも伸び放題、身に着けているものもよれよれで、かつての精悍(せいかん)さはみじんもない。その彼が、満身創痍(そうい)になりながらローラを守ろうとする姿には、胸を熱くせずにはいられなかった。アクションシーンでの血生臭い描写にギョッとさせられることはあったが、ローガンとチャールズの“父と息子”のような会話には思わず笑みがこぼれ、シリーズ中で最も“人間的”なウルヴァリンを見ることができた。その一方で、迫りくる危険をものともせず、黙々とシリアルを食べ続けるローラのたたずまいの異様さが脳裏に焼き付いている。“最後の戦い”にふさわしいローガンの死闘を目に焼き付けておきたい。(りんたいこ/フリーライター)