映画「22年目の告白-私が殺人犯です-」に出演している石橋杏奈さん
女優の石橋杏奈さんが出演した映画「22年目の告白-私が殺人犯です-」(入江悠監督)が10日に公開された。時効を迎えた殺人事件の犯人と、彼を追う刑事を巡る犯罪サスペンス。このジャンルが「一番好き」という石橋さんに撮影を振り返ってもらうとともに、最近気になっているファッションアイテムや今後の抱負などを聞いた。
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◇泣くシーンに苦労
映画は、藤原竜也さん演じる曾根崎雅人が、時効を迎えた連続殺人事件の犯人だと自ら名乗り出ることで動き出す。22年前、彼を逮捕寸前で取り逃がした、伊藤英明さん扮(ふん)する刑事の牧村航は、マスコミに姿をさらし、被害者遺族の感情を逆なでするような曾根崎の態度に憎悪の念を募らせていく。石橋さんが演じるのは、その牧村の妹・里香で、事件当時、大震災があった神戸から、野村周平さん演じる恋人の小野寺拓巳と兄を頼って上京してくるという設定だ。
石橋さんは里香について「(大震災を経験し)心情的にはつらい状況にあるのですが、これから東京で頑張って生きていこうとしている強い女の子」と説明。石橋さん自身、里香ほど過酷な経験はしたことはないものの、「私も福岡に住んでいるとき、大きな地震を経験したことはあったので、ちょっと揺れているものを見ただけで(震災を)思い出したり、ハッとする瞬間があったりする里香の気持ちは分かります」と心を寄り添わせる。
映画は、殺人の告白本の出版や、テレビカメラを引き連れての被害者遺族への謝罪など、曾根崎の大胆な行動が見どころの一つだが、演じる藤原さんについては「クールに演じていらっしゃいますが、中にすごく秘めたものがある」と印象を語り、最後のシーンを見たときには「バッと鳥肌が立った」という。
苦労したのは「泣くシーン」。石橋さんはそのシーンを「(曾根崎に対する)復讐(ふくしゅう)心や憎しみが生まれるようなところでもあるので、全力でお芝居をしないとその残酷さが伝わらない」との思いで演じたといい、「本当に出し切ったという感じでした。体力もすごく使いましたし、泣いて感情もすごく高ぶりました。一番過酷でした」と振り返る。
◇お風呂と音楽でリラックス
2007年のドラマ「失踪HOLIDAY」で初主演を務めて以来、数々の映画やドラマに出演。今年は、今作をはじめ、11月公開の「泥棒役者」や、6月には出演したWOWOWの「連続ドラマW 宮沢賢治の食卓」が放送されるなど、ますます注目されている石橋さん。仕事上、生活が不規則になったり、揚げもののお弁当が多くなったりしがちで、「たまっていく感じがする」というが、そんなとき利用しているのが、新鮮な野菜や果物で作ったジュースを食事の代わりにとる「ジュースクレンズ」。ただ、何日間も続けるのは「結構キツい(笑い)」ため、朝だけクレンズジュースにするなどして「デトックスするように心掛けている」そうだ。
また、息抜きに利用するのが「お風呂に入る」こと。「温泉や銭湯が好きで結構行くんですけれど、そういうところで深呼吸するだけで疲れが取れたり、精神的にも落ち着いたり」するという。今作の撮影中にも家の近所の銭湯をよく利用していたという。さらに、音楽も心身をリラックスさせるものの一つだといい、「家にいるときもイヤホンをして聴いていますし、ずっと曲が流れていて、ずっと歌っています。それで結構ストレスを発散しているのかもしれないですね」と打ち明ける。ちなみに、ネットなどで「うますぎる」と話題になったニッキー・ミナージュさんの代表曲「Super Bass」は、1日で制覇したという。
◇気になっているファッションアイテムは
今回の映画は、事件当時の1995年と現代が交錯しながら進んでいく。石橋さん演じる里香も90年代のファッションに身を包んでいる。「当時の洋服は結構好きで、だからといって今、そういう格好をするわけではないんですけれど(笑い)、それぐらいの時代の作品を何度かやらせていただいて、そのたびにその時代の洋服を着ていますが、毎回可愛いなと思いますし、前髪が結構薄いんですよね。今回の作品でもちょっと(前髪を)梳(す)いているんですけれど、その感じもすごく好きです」と笑顔を見せる。
普段はシンプルな服装を好み、撮影現場には「Tシャツにデニムにスニーカー、トートバッグやリュックで行く」ことが多いという石橋さん。もっぱら「パンツ派」だが、「最近はスカートもはかなくちゃと思ってそろえている」ところだそうだ。今気になっているファッションアイテムは「帽子」だという。普段、キャップ以外の帽子はかぶらないそうだが、「日差しが強くなってきたので、似合う帽子に出合いたいなと思っています。麦わら帽子やツバのある帽子……“紫外線をよける用”じゃない(笑い)、おしゃれな帽子が欲しい」とのこと。
◇理想の女性像と男性像は?
今年でデビュー10年目。続けてこられたことを、自身は「びっくりしているぐらいです」と明かす。10年後の展望を尋ねると、「全く想像がつかない」と言いつつ、「20歳で社会に出た人は、22歳ぐらいで結構いろんなことを覚えて、自分でいろんなことができるようになって、30歳ぐらいになってやっと自由になれる、みたいなこと聞きます。私は14歳から仕事をしていますが、自分の行動にちゃんと責任が持てて、もっと自分のことをきちんとできるようになって、その先にもっと自由にいろんなことを言えたり、できたりできる環境になっていたらいいなと思います」と抱負を語る。
理想としている女性像に挙げたのは、「石田ゆり子さん」。「雰囲気にすごく憧れます。将来はあんなすてきな女性になりたいです」と話す。ちなみに、映画の里香は、恋人の拓巳からプロポーズされていた。石橋さん自身は「結婚願望はありますね。10代のころは23歳で結婚と言っていたんですけれど、もう余裕で過ぎている(笑い)」と言いつつ、「母が保育園で働いているんですけれど、私自身、保育園に遊びにいったりする」くらい子供好きだそうで、「まだ自分の子供とかは想像できませんが、母親になりたいという願望はあります」とにっこり。理想の男性像は「共通点や趣味がたくさんあって、一緒にずっと笑っていられるような人。沈黙も嫌じゃないような人がいいですね」と明かした。映画は10日から全国で公開中。
<プロフィル>
いしばし・あんな 1992年7月12日生まれ、福岡県出身。2006年にホリプロタレントスカウトキャラバンでグランプリを受賞し芸能界入り。ドラマ「失踪HOLIDAY」(2007年)で女優デビュー。映画「きみの友だち」(08年)で初主演。12年からはバラエティー番組「LIFE!~人生に捧げるコント~」に出演。ドラマ出演作に「無痛~診える眼~」「花燃ゆ」(共に15年)、「俺のセンセイ」(16年)。映画出演作に「百瀬、こっちを向いて。」「L・DK」(共に14年)など。6月17日から出演したWOWOWの「連続ドラマW 宮沢賢治の食卓」が放送開始。また、映画「泥棒役者」「LINKING LOVE」「勝手にふるえてろ」の公開も控える。
(取材・文・撮影/りんたいこ)
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