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松田龍平:長澤まさみとの初共演は「手の上で転がされた」

 女優の長澤まさみさんと俳優の松田龍平さんが29日、名古屋市内で行われた映画「散歩する侵略者」(黒沢清監督、9月9日公開)の舞台あいさつに登場した。2人は今回が初共演で夫婦役を演じており、松田さんは撮影を「長澤さんの手の上で転がされている状態で、それが心地よかった」と振り返った。

 松田さんは、撮影を「宇宙人に乗っ取られて、人間としては右も左も分からない状態(の役)だったので、長澤さんだけを頼りにやっている(演じている)ところがあって……」と言い、「長澤さんの明るさというか柔軟な感じに助けられた。長澤さんにずっと操られている状態。それが(劇中の)2人の関係性みたいでした」と笑顔で語った。舞台あいさつには黒沢監督も登場し、「いい感じでした。なんとなく腹の探り合いをしているところがほほ笑ましい。(映画も)そういう夫婦の関係の物語なので……なんともいえない味わいがあります」と独特の表現で、2人の関係性を語った。

 また松田さんは役作りについて「宇宙人の役なので……(考えても)果てしない。黒沢さんも(宇宙人がどんなものか)分からないということだったので、宇宙人(の役)ということにこだわらずに現場に入ってみようと思いました」とコメント。人間の概念を奪うという設定だったことから「(宇宙人は)概念を一つも持っていない。ある意味、すごく自由で何にも縛られていないキャラクターだと思ったら、結構楽しい役かもと思って撮影に挑みました」と振り返っていた。

 「散歩する侵略者」は、劇作家の前川知大さんが主宰する劇団「イキウメ」の人気舞台を映画化した作品。主人公の加瀬鳴海(長澤さん)の夫・真治(松田さん)が数日間の行方不明の末に、別人のように優しくなって帰ってくる。毎日ぶらぶらと散歩をするばかりの真治に、鳴海が何をしているのか問い詰めると「地球を侵略しにきた」と告白する……というストーリー。第70回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品された。

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