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黒木華:イメージ定着への不安「払拭したい」 西郷どん“3人目の妻”役に秘めた思い

 俳優の鈴木亮平さん主演のNHK大河ドラマ「西郷(せご)どん」で岩山糸を演じている黒木華さん。黒木さんといえば、2016年の大河ドラマ「真田丸」や17年に同局で放送された「みをつくし料理帖」などで、すっかり時代劇の扮装(ふんそう)の似合う女優のイメージが定着しつつある。一方で「時代劇に出演させていただく中で『誰かを支える役が多い』と言われていて、全部(役柄が)一緒に見えてしまうんじゃないかという不安が自分の中にある」と認める黒木さん。“好奇心旺盛なおてんば娘”の糸役を通して、その不安を「払拭したい」と話す黒木さんに、ドラマへの思いや共演者の印象を聞いた。

 「西郷どん」は、明治維新150年となる2018年放送の大河ドラマ57作目。薩摩の貧しい下級武士の家に生まれた西郷隆盛(吉之助、鈴木さん)の愚直な姿にカリスマ藩主・島津斉彬(渡辺謙さん)が目を留める。斉彬の密命を担い、西郷は江戸へ京都へと奔走する。やがて勝海舟、坂本龍馬ら盟友と出会い、革命家へと覚醒し、明治維新を成し遂げていく……という内容。

 ◇“歴史上の人物”を1年間演じるプレッシャーの中で…

 黒木さん演じる糸は吉之助と同じ城下に住む武家の娘。好奇心旺盛で、時に無類の行動力を発揮するなど“芯の強さ”も魅力だ。また幼いころから吉之助にひそかに思いを寄せ、一度は心ならずも他家に嫁ぐが、紆余(うよ)曲折の末に吉之助の「3人目の妻」となる、物語には欠かせない“運命の女性”といえる。

 「真田丸」でも主人公・真田信繁(堺雅人さん)の妻・梅を演じた黒木さんだが、「西郷どん」ではより“歴史上の人物”として有名な糸役を務めるということで「正直プレッシャーがありました」という。「糸はみんなが知っているというか、有名なせりふ(上野公園の西郷像を見て「こんな人じゃない」と言っている第1回冒頭のシーン)もありますし、1年間やるプレッシャーもありました」と本音もぽろり。

 それでも「いい意味で新鮮にやらせていただいています」と笑顔を見せる黒木さん。「歴史は苦手」といいながらも、「資料として入ってくること(人物像)と、興味として入ってくることがすごく違っているので、あまり史実に引っ張られず、人間ドラマとして、生き生きとやっていけたらと思いながらやっています」とあくまで前向きだ。

 ◇若き糸の三原則?「明るさと元気と力強さを大事に」

 黒木さんから見た糸は、吉之助や正助(大久保利通、瑛太さん)の「日本を良くしたい」という闘志、熱さと同じものを秘めた女性といい、「『もっと勉強して、外にも出ていきたい』という意思を持った糸は、見てくださっている方たちにも熱さは伝わると思います。若いころに男たちに混じって走ったり、そういう天真爛漫(てんしんらんまん)な姿が糸らしさだと思って演じています。成長して変わっていくところはあると思うのですが、意志の強さが糸の核になるものなのかな」と考える。

 また糸には「女、男にとらわれず、強い意志を持った明るい女性」という印象を抱いているようで、「見ている人に『チャーミングだな』と思ってもらえるように演じたいですし、3人目の奥さんということで、(2人目の妻の)愛加那(二階堂ふみさん)の子供を引き取ったり、どんなふうに西郷さんを支えられるかなと考えたりはしていますが……。だからこそ、若い時というのは熱さを前面に出していきたいですし、明るさと元気と力強さを大事にやっていますね。“躍動感”ではないですが、足腰のしっかりとした、西郷さんをそばで支えられる力強さが大事」と自覚する。

 ◇第6回で糸がひと騒動! 淡い三角関係の行方は?

 4日放送の第5回「相撲じゃ!相撲じゃ!」では糸に縁談話が舞い込んでいることが判明し、11日放送の第6回「謎の漂流者」では、吉之助が切腹させられるかもしれないと聞いた糸が牢の前でひと騒動を起こすシーンがあり、若き糸の熱さや思いの強さがあらわになる。

 さらに糸は正助(瑛太さん)に背中を押され吉之助にある思いを伝えるなど、淡い三角関係の行方も見どころだ。黒木さんは「糸はすごく昔から西郷さんのことが好きだったんだろうなと女性としてではなく、糸という一人の人間としてちゃんと見てくれたのが西郷さんが初めてだったと思うので。でもみんな鈍感ですよね」としみじみ。「西郷さんは自分に関することよりも、家族や困っている人へすごく真っすぐというか、ある意味視野が狭い。糸も糸で正助さんの気持ちに気がつかないというのも可愛いなと思います」と楽しそうに語っていた。

 大河ドラマ「西郷どん」はNHK総合で毎週日曜午後8時ほかで放送。

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