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映画「ヴァレリアン 千の惑星の救世主」の日本語吹き替え版でリアーナさんの声を担当したゆりやんレトリィバァさん
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映画「ヴァレリアン 千の惑星の救世主」の日本語吹き替え版でリアーナさんの声を担当したゆりやんレトリィバァさん

ゆりやんレトリィバァ:「ヴァレリアン」で初吹き替え 次はハリウッド進出? 「恋愛したい」乙女な一面も

 「レオン」(1994年)や「フィフス・エレメント」(97年)などで知られるリュック・ベッソン監督の最新SF映画「ヴァレリアン 千の惑星の救世主」が公開中だ。フランスのマンガ「ヴァレリアン」を基に実写化した作品で、はるか未来の宇宙を舞台に、平和を守るべく銀河をパトロールするエージェントたちが、宇宙の存亡に関わる陰謀に立ち向かう姿を描く。日本語吹き替え版で米国の人気歌手のリアーナさん演じる宇宙人ダンサー・バブルの役を担当し、初の洋画吹き替えに挑戦したお笑いタレントのゆりやんレトリィバァさんに話を聞いた。

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 ◇特徴的な自分の声に苦労したアフレコ

 子どものころから洋画の吹き替えをすることが夢だったと語るゆりやんさんは、「もともと映画が大好きなので、吹き替えのお仕事はいつかやらせてもらえるようになりたいと思っていました」と切り出し、「まさかこんな大作、しかもリアーナさんが演じている役だとは考えてなかったので、すごくうれしかった」と笑顔を見せる。

 夢が実現して喜びがあった半面、「映画が好きな分、吹き替えの声に『何これ!?』って思うこともあって(笑い)。それに『リアーナなのに声が全然違う』となったら映画を見ている方にも悪いので……」という不安もあったといい、「そういったことを気にせずに見てもらえるよう頑張ろうと思いました。あと気付かないうちに関西弁になっていることがあったようなので、そこも気を付けました」と心境を明かす。

 実際に吹き替え版を見ると分かるが、ゆりやんさんはかなり声質を変えて吹き替えをしている。「(自分の声は)高くて特徴的なので、どうやったら消えるのかなといろいろ考えました。演出家の方にもアドバイスをいただき、少し改善されましたが、声を張ったらすぐ自分になってしまうところが難しかったです」と振り返り、「コントだったら表情や動きが付きますけど、声だけで演技するのって難しい、声に抑揚をつけるのはすごいことなんだとんだと分かりました」と実感を込める。

 実際に自身の声が入った映像を見た際には、「大好きなリアーナさんから自分の声が出ているのは感慨深かったです」とうれしそうに話す。

 ◇女性として今したいことは…

 ゆりやんさんの活躍は昨年開催された「女芸人No.1決定戦 THE W」での優勝も記憶に新しいが、最近ではテレビで見ない日がないほど。だが本人にとってはブレークの実感は意外にも「朝起きて東京に行って泊まって、大阪に帰って、また東京に行ってを繰り返していますが、それでもまだあまり実感がない」と明かし、「(街中などで)『ゆりやんに会えてうれしい』」と声をかけていただいても、『ほんまに?』って思っているくらいです」という。

 そういった中でも、「今まであまり治安のいいところに住んでなかったんですけど、大阪の中でもコーヒーの香りで目覚めるようなおしゃれなところに引っ越しました(笑い)」と変化を明かし、「ベッドに食べ物やリモコンを置いてベッドの上だけで生活してましたが、それはやめてベランダに観葉植物を置いてみたり、料理をしてみたりと、同世代の女性が当たり前にやっていることをやろうと思っています」と理想の生活に思いをはせる。

 そんなゆりやんさんが今してみたいことは、「女性としては男性と付き合いたいです!」と宣言し、「今、好きな人がロングヘアの女性が好きらしいので、ウィッグかエクステをつけようか悩んでいますが、もし、それをつけたらそういうことだと思ってください(笑い)。いい報告ができるように頑張ります」と笑顔で決意を語る。

 ◇将来的には自身で映画を撮ってみたい

 映画の見どころを、「宇宙の映画だと複雑な話なのかなと思われる方もいるかもしれませんが、難しく考えることなく子どもから大人までみんなが楽しめて、ハラハラするし、とにかく映像がきれい」とアピールし、「男性のカッコよさだけじゃなくて、女性のカッコよさも見られる作品だと思います」と絶賛する。

 次に挑戦してみたい役として、「何でもやらせていただけたらうれしいです」と前置きした上で、「こう見えて誰とも付き合ったことないので(笑い)、映画の中で恋愛するのもいいです。それとホラー映画が好きなので、実際のオバケとかは嫌ですけど、映画だったら声だけでもいいのでオバケの体験をしてみたい」と楽しそうに話す。

 そして映画の吹き替えを実現した今、「おこがましいですが、後先を考えずに言わせてもらえるなら、ハリウッドの映画に出させてもらいたいと思っています」と目標をぶち上げ、「あとは映画を撮ってみたいとずっと思っていて、構想も経験も実力もまったくないですが、いつかやりたい」と目を輝かせる。

 映画を撮る際はどんなジャンルで?と尋ねると、「(ホラー映画が好きなので)ホラー映画が撮りたい。あとは人が人のことを信用できなくなって、めちゃくちゃになるみたいな……サイコ最高! ぜひリュック・ベッソン監督の後を追っていきたいです(笑い)」とちゃめっ気たっぷりに語った。映画は全国で公開中。

 <プロフィル>

 ゆりやんレトリィバァ 1990年11月1日生まれ、奈良県出身。2012年にNSC大阪校35期生として入学し、翌年首席で卒業。英語やダンス、ピアノを取り込んだネタと、「調子のっちゃって」というフレーズが人気になりブレーク。13年には「NSC大ライブOSAKA」で優勝、16年には「第1回上方漫才協会大賞 トータルコーディネイト部門賞」受賞、17年2月に行われた第47回NHK上方漫才コンテストでは、女性ピン芸人として初の優勝を飾る。同年12月の「女芸人No.1決定戦 THE W」では初代の女王に輝く。

 (取材・文・撮影:遠藤政樹)

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