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米ドラマ「グッド・ドクター」で主演したフレディ・ハイモアさん
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米ドラマ「グッド・ドクター」で主演したフレディ・ハイモアさん

フレディ・ハイモア:イケメンに成長した名子役26歳の素顔は? 自閉症でサヴァン症候群の天才青年医を熱演

 天才的な能力を持つ、自閉症でサヴァン症候群の青年医ショーンが、周囲からの偏見や反発を乗り越え、ドクターとして成長していく姿を追った米ドラマ「グッド・ドクター-名医の条件」が5日にWOWOWでスタートする。映画「チャーリーとチョコレート工場」(2005年)などの映画で名子役と呼ばれ、米ドラマ「ベイツ・モーテル」シリーズでも好演、イケメンに成長した主演のフレディ・ハイモアさんがこのほど来日。今作について、また、十数年ぶりの日本について語った。26歳の素顔に迫る。

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 今作では自閉症で天才的記憶力と空間認知能力を持つサヴァン症候群でもある青年医ショーン・マーフィーが、膨大な医学の知識を駆使して大病院に旋風を巻き起こす……。13年に韓国で放送されたドラマ「グッド・ドクター」を米国でリメーク。昨年9月から全米ABC系で放送され、大ヒットしたドラマだ。ショーン役を熱演したハイモアさんは、第75回ゴールデン・グローブ賞テレビの部・ドラマ主演男優賞にノミネートされた。シーズン2の放送も決まっている。

 ◇難役に懸ける思い

 自閉症でサヴァン症候群という難しい役どころを演じたハイモアさん。役作りは「ショーンがすべての自閉症の人を代表しているというわけではないんですが、できるだけ自閉症をきちんと表現したという思いがありました。そのためにはドキュメンタリーを見たり、実際にそういう方にお会いしたり、本を読んだりしました」という。自閉症のことだけでなく、「彼の個性的な部分、どういう人物なのかということ、自閉症とは関係ない部分のキャラクターも作り上げていかなくてはいけないと思いました」とショーンになり切って演じた。

 ショーンについては、「病院という設定ですので、いろんなことが起きるんですよね。非常に深刻な場において、肯定的で希望を持っている人物。ショーンはとても楽観主義者なので、そういう部分は私も共感できます。でも僕は英国人なので、デビッド・ショアの『ドクター・ハウス』に近く、ちょっとシニカルな部分も持っています。そういう世の中の見方が違う人物、そして自分が学べる人物を演じるのはとても楽しいことです」と語る。

 ドラマがヒットしたのも「いろんな人がこのドラマに反応してくださったのは、メッセージがとてもポジティブで、希望に満ちたものだから。ショーンは人のいいところを見ようとするんですよね。テレビをつけるとネガティブなことがたくさんあるので、そういった中で、彼の純粋さとか希望を持っている姿は新鮮に感じるんだと思うんです」と分析する。

 ◇医療シーン「血のりを見るのは大丈夫」

 医療ドラマのため、専門用語が飛び交い、手術のシーンなども登場するが「他の医療番組は動物のパーツを使ったりして、臭いがきつかったりすることもあるんですけれど、私たちは恵まれていて、全部プラスチック製でした(笑い)。そういった意味ではやりやすい部分もあったし、あと僕は血のりを見るのは大丈夫だった(笑い)。病院という設定ではあっても、実際にはキャラクターを描いていますので、ショーンと一緒にいろんな感情の旅ができました」と撮影秘話を語った。

 ショーンはとてもピュアな人物として描かれている。そんなショーンの恋愛模様はドラマでは描かれるのだろうか。「実はファーストシーズンの中で初恋を体験します。あるエピソードでショーンは病院をいったん離れるんですね。そこでいろんな経験をする。自閉症の方は感情を表さないというふうに描かれることが多いんですけれど、私たちはそれをできるだけ避けて、恋愛感情も持っている、ショーンの違う側面を出したいと思っているんです」と明かした。

 ◇順調に成長「僕は恵まれていた」

 名子役として活躍してきたハイモアさん。俳優を続けていくことに難しさはなかったのだろうか。「僕がすごく恵まれていると思うのは、世界のいろんなところに行けるということ。今回のドラマでもバンクーバーに8カ月暮らして撮影していましたし、以前に撮影した『ベイツ・モーテル』もバンクーバーだったので、第二の故郷的になっているんです。また、今回のように仕事で日本に来たり、いろんな方にお会いできるチャンスがたくさんある。現場でもいろんな国の方々が参加していて非常に楽しいです」と俳優業を楽しんでいるようだ。

 「子役からの脱皮は難しくなかったか」と尋ねると「僕が非常に恵まれていたことは『ベイツ・モーテル』が19歳から25歳まで演じていたので、番組の中で成長していき、自然と大人になっていけたと思っています」という答えが返ってきた。

 演技をする上で役立ったことは「演技から離れて(ケンブリッジ)大学に行ったのがとてもよかった。もし、ハリウッドでずっと仕事を続けていたら現実世界を知らないまま育ってしまったと思うので。大学で新しい体験ができました」と語る。

 俳優としてジョニー・デップさんを尊敬しているというハイモアさん。デップさんについて、「(共演した)『ネバーランド』と『チャーリーとチョコレート工場』で全然違う役を彼は演じていました。ものすごく演技の幅を持っている俳優さんですし、現場で他の人に敬意を払うところも尊敬しています」と思いを明かす。

 今回のドラマにも子役が何人か出演しているが、アドバイスとして「子役たちを座らせてレクチャーするようなことは僕は絶対にやらないんですけど、自分が若いころ、人を見てそこから吸収したように、僕もプロフェッショナルとして一生懸命やることで彼らも何か吸収することがあると思います。僕自身、こういうドラマに出られる機会を得ているということに本当に感謝しているので、彼らも一生懸命にやることが大事です」と呼びかけた。

 ◇スポーツ好き 日本では「大相撲を見たかった」

 3月初めに来日し、1日オフだったときは東京の街歩きを楽しんだという。「渋谷のスクランブル交差点を歩いたり、原宿に行ったり。渋谷のデパートのレストランにも行きました。桜の季節にはちょっと早すぎたかな。あと2週間くらいすると咲きますもんね。おすしやてんぷらも食べました」と満喫した様子。

 サッカー好きで知られるハイモアさんは、英国のプロリーグ「アーセナルFC」のシーズンチケットを持っているほどのファンだという。自分でもプレーするのかと聞くと、「サッカーは一番好きなスポーツなんですけど、人数がいないとプレーはできないのでバンクーバーではなかなかできませんでした。最近ではアイスホッケーの試合を見に行ったり。でもスケートは滑れないのでプレーは無理なんですね。テニスくらいなら2人でできるから、テニスを習っておけばよかったな。今でもアーセナルはファンなのでときどき試合を見ています。日本では大相撲を見たかったんですけど、今はやってないと言われたので。次の機会に見たいな」と笑顔で語る。

 現在26歳のハイモアさん。10年後はどうなっていると思うかと尋ねると、「全然分からないけど、やはりこういう番組に関わっていたいし、常にチャレンジして皆さんに興味を持っていただけるようにしたいですね。番組を見ていただかないといけないので、皆さんが見たいものを作っていきたいと思っています。『ベイツ・モーテル』では自分が脚本を書いたり、監督もしたので、『グッド・ドクター』シーズン2でもそういうことをやっていきたいと思います。コンセプトを作り上げることにはすごく興味を持っています」とスタッフとしても作品に関わっていきたい意向だ。

 もし自分に子供が生まれたら俳優をやらせるかと聞くと、「子供を持ってみないと分からないけれど、自分はすごくがラッキーだったので、(子供は)必ずしもそういうことばかりではないので、非常に判断は難しいですね」と語った。

 ツイッターやフェイスブック、インスタグラムなどのSNSをやっていないというハイモアさん。「べつにSNSに反対はしていない。ただただやってないだけ。やっていなくても今、すごくバランスが取れていると感じる。仕事とプライベートを分けているというのもありますし、日本に来る飛行機の中で携帯電話が壊れたけれど、なくてもあまり困っていないので、SNSをやっていなくても不便は全くないと思っています。メールや電話はときどきやっていますし、コミュニケーションはちゃんと取れていますので(笑い)」と見解を語った。

 最後に、ドラマを楽しみにしている日本の視聴者に向けて「待ってくださってありがとう。違法ダウンロードはしないでね(笑い)。ぜひドラマを楽しんで見ていただきたいのと、ぜひ、僕も日本にまた戻ってきたいと思っています」とメッセージを送った。

 「グッド・ドクター」」は5日からWOWOWプライムで毎週木曜午後11時(字幕版は毎週金曜午後10時)に放送。全18話で第1話は無料放送。

 <プロフィル>

 本名はアルフレッド・トーマス・ハイモア。1992年2月14日生まれ、ロンドン出身。99年に俳優デビュー。2004年公開の「ネバーランド」(マーク・フォースター監督)の演技が評価され、05年公開の「チャーリーとチョコレート工場」(ティム・バートン監督)で主人公チャーリー役に起用された。13年から放送されているドラマ「ベイツ・モーテル」で主演。17年に放送開始したドラマ「グッド・ドクター 名医の条件」では主演のほか製作も務める。ケンブリッジ大学卒。

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