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21~24日に横浜市で開催される「フランス映画祭 2018」のフェスティバル・ミューズを務める常盤貴子さん。横浜出身で、語学番組「旅するフランス語」(NHK Eテレ)にも出演していたことから今回、フェスティバル・ミューズに選ばれた常盤さんに、フランスでのエピソードや女性が輝き続ける秘訣(ひけつ)について聞いた。
◇フランスでは「よく怒られるんです」
フランス映画祭は、1993年から日本で開催されている映画祭。今回で26回目を迎える。同映画祭は93年~2005年は横浜で開催、06年からは場所を東京や地方に移し開催されてきた。今年は13年ぶりに横浜で開催される。国内でのフランス映画全体の活況を図ることや、まだ買い付けのないフランス映画、新進の監督や俳優が日本で紹介される機会を作ることを狙いとしており、日本未公開のフランス映画が上映される。期間は6月21~24日。
20代のころから多くのフランス映画に触れ、何度もフランスに足を運んだことがあるという常盤さん。フランスでの思い出を聞くと、「フランスに行くと、よく怒られるんですよ」と笑顔で明かした。
「例えば、パリで靴屋さんに入って、接客中の店員さんにちょっと靴のサイズを聞いたら、『今はこの人の接客しているから、あなたは後で!』と怒られたり。日本人は、接客をしていてもちょっと間が空いたら、別のお客さんの呼びかけに対応したりするけど、フランス人は一人一人のお客様を大事にしていて、その人の時間を奪ってはいけないという発想になるんですよね。どっちもすてきなんですけど、最初は驚きました」と振り返る。
また、買い物で入った別の店で、電話越しに怒っていた店員が急に常盤さんの方を振り向いて、「今、自分はこういう理由で怒っているんだ」と延々と説明されたという経験もあるという。「それがヒートアップして、なぜか私にまで怒ってきて(笑い)。そういう人懐っこさが、フランス人のすごく面白いところでもあるんですよね」と語った。
◇10年後は「チャーミングな人間でありたい」
現在46歳の常盤さんに、10年後、56歳の自分を想像してもらったところ、「やっぱりフランスの女性ってすごくすてきだなと思っているので、そのエキスを自分の中にうまく入れて、フランス人的な、ちょっとめんどくさい、でもチャーミングな女性でありたい」と思いを明かした。
常盤さんは、「フランスでは、女性を表現するときに『彼女はすごくきれい』『すごくスタイルがいい』『彼女はすごくオシャレ』という言葉だけだと、ともするとけなし言葉になってしまうそうなんです。でも、そこに『でも彼女はすごくチャーミング』が加わると、本当に素晴らしい人ということになる。キレイなだけでも、スタイルがいいだけでもダメで、チャーミングでないといけない。それが人として一番大事なことだと。それって、すごくフランス的だなと思うんです。だから、チャーミングな人間でありたい」と願望を語った。
◇女性が輝き続ける秘訣は「出会い」
最後に、「女性が50代、60代と年齢を重ねても輝き続ける秘訣は?」と聞くと、「人との出会いかな。周りの人によって、人ってすごく変わっちゃうから。周りにいる人がどういう人かによって、自分がどういう状態でいられるかも変わってくると思う」と話した。
続けて、新しい出会いを生かすには、「起こることに抵抗せずに流れに身を任せること」が大切だという。「『私はこうやっていきたい』とか『私はこうだ』って決めちゃうと、そこで壁ができてしまうから新たな出会いも来ない。流れに身を任せてみると、意外とそこに道は開いている。私自身、流れに身を任せた結果、どこにたどり着くんだろうって。10年後、どんな自分になっているか想像できないからこそ、すごく楽しみなんです」と目を輝かせた。
<プロフィル>
ときわ・たかこ 1972年4月30日生まれ、横浜市出身。1991年に女優デビュー。95年に出演したテレビドラマ「愛していると言ってくれ」(TBS)が大ヒットする。映画「赤い月」(2004年)で第28回日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。主な最近の出演映画に「だれかの木琴」(16年)、「花筐/HANAGATAMI」(17年)など。