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映画「ルームロンダリング」のビジュアル (C)2018「ルームロンダリング」製作委員会
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映画「ルームロンダリング」のビジュアル (C)2018「ルームロンダリング」製作委員会

注目映画紹介:「ルームロンダリング」池田エライザが幽霊の相談役に 元気もらえるヒューマンコメディー

 モデルで女優の池田エライザさん主演の映画「ルームロンダリング」(片桐健滋監督)が7日から新宿武蔵野館(東京都新宿区)ほかで公開される。幽霊が見えてしまう特殊な能力を持つヒロインが、幽霊たちの悩みに耳を傾けているうちに、自身の人生と向き合っていく姿を描くヒューマン作だ。ヒロインを取り巻く状況は決してハッピーではないものの、ほど良いコメディータッチが奏功し、後味爽やかな作品に仕上がっている。

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 親代わりの祖母(渡辺えりさん)が亡くなり身寄りのなくなった八雲御子(池田さん)は、突然現れたおじの雷土悟郎(オダギリジョーさん)から、住む場所とアルバイトを提供される。アルバイトは、一定期間住むことで事故物件をクリーンな部屋に浄化する“ルームロンダリング”。不幸な死に方をした元住人たちは簡単に成仏するはずはなく、幽霊が見える御子は、図らずも、彼らの無念を晴らす役目を背負わされることに……というストーリー。御子の引っ越し先の隣人・亜樹人役で、先ごろ「健太郎」から改名した伊藤健太郎さんが出演。元住人、すなわち幽霊たちを、渋川清彦さん、光宗薫さんが演じる。

 新たな映像クリエーターの発掘を目的とするコンペティション「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2015」で準グランプリFilmarks賞に選ばれた企画を、企画者の片桐監督自身が映画化した。

 この幽霊たちは一味違う。夢をあきらめ切れないミュージシャン(渋川さん)や、コンビニ弁当ばかりの御子に説教する女性会社員(光宗さん)ら、幽霊のくせに妙に人間臭い。彼らに気づかないふりをする御子と、御子の気を引こうとあれこれ話し掛けてくる幽霊たちのやりとりが笑える。

 ヘッドホンで外界の音を遮断。アヒルのランプを大事に抱え、ほとんど言葉を発しなかった引きこもり気味の御子が、幽霊たちの好き勝手な言動に振り回されながら徐々に前向きになっていく。そんなヒロインを池田さんが好演している。寂しげだった顔に、やがて浮かんだ笑顔……。心がなごみ、映画から元気をもらえた。(りんたいこ/フリーライター)

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