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池田エライザ:最新主演映画は人生の「セーブポイント」 こじらせ女子役に共感

 モデルで女優の池田エライザさん主演の映画「ルームロンダリング」(片桐健滋監督)が公開中だ。池田さんが演じる八雲御子が、いわくつきの“事故物件”に住んで部屋を“浄化(ロンダリング)”しながら、幽霊となって部屋に居座る元住人の悩み相談に振り回される……というハートフルコメディー。撮影から約1年たった今も「ルームロンダリング離れができていない」という池田さんに、役どころや作品への思いを聞いた。

 ◇こじらせ女子・御子との共通点は… 「圧倒的に寄り添えない」部分も

 池田さんが演じる御子は、“天涯孤独”で、自分の殻に引きこもりがちなこじらせ女子。アヒルのランプが手放せないというキャラクターだ。池田さん自身は、13歳の時にファッション雑誌のオーディションでグランプリを獲得してモデルデビューし、15歳で映画デビュー、昨年21歳で映画とドラマで初主演を果たすなど、華やかな世界に生きる印象だが、自身と御子との共通点が「たくさんある」という。

 「御子ちゃんが、ちゃぶ台の前で背中を丸めてうずくまるようにして絵を描いているんです。あの状態って、私も同じ。家にも低い木製の机があって、そこで正座をしてスケッチブックをバーッと開いて、水彩画や、万年筆で絵を描いています。(御子が)お風呂で小説を読むところとか、私生活に近いですね」と笑顔を見せる。

 また御子が無口なところにも「不器用な人ほど、頭の中で考えて、自分の気持ちをどう伝えるのがいいか、悩んでいく。私も完全にそのタイプ。困ったら黙るという選択肢をとるんです」とシンパシーを感じた。

 一方で、御子は父を亡くし、母は失踪。さらに育ての親だった祖母も亡くなってしまうという境遇で「自分に当たり前にあったものが、御子ちゃんにはなくて、圧倒的に寄り添えない部分があった」とも話す。

 「この映画は、父親、母親、祖母と離ればなれになって数年たってからのお話。時の流れの中で風化していくもの、フタを閉じていくものがあって……。どれぐらい心にフタをしているのか、どういうささいなことがフタを開けるきっかけになってしまうのか、非常に難しかった部分です」といい、「御子は自分の分身」と語る片桐監督と話し合いを重ね、「手探りで演じた」と振り返った。

 ◇「映画作る喜び感じた」 ルームロンダリングが「セーブポイント」に

 今作で「映画を作る喜びを感じた」という池田さん。「この作品が、片桐監督と(脚本を手がけた)梅本(竜矢)さんの居酒屋での話が進んで生まれたという事実を含めて、とても愛(いと)おしい。御子ちゃんから見えている世界はすごくきれいで、そんなきれいな世界の中で、ゆっくり心を溶かしていく感覚の中で撮影していた」と語る。

 さらに「自分が無知だということに気づけたし、(気づきを)与えてくれた」とスタッフや共演者に感謝。今後は「女優として、お芝居のクオリティーも、映画を作るということにも、もっと深く入り込んで、映画のことを考えたい」と大きな影響を受けたようだ。

 「昔は大好きだから(芝居を)やっているという思いでした。(今作で)もっとクリエーティブなところで携わって、それを(言葉などで)伝えていくことも、お芝居をやる人生の醍醐味(だいごみ)だと思い始めています。私が楽しいからみんなも楽しんでというだけでなく、皆さんが“気持ちよくなれる要素”をちゃんと届けられるよう、信念を持ってやっていきたい」と気持ちを新たにしている。

 そして「ルームロンダリング」を「再出発した場であり、(人生における)セーブポイント」と表現。セーブポイントはRPGなどに登場する、ゲームの状況を保存可能な場所のことで「ルームロンダリングに思いをはせながら、これからも頑張っていくし、ルームロンダリングのことを考えて、一息ついたり、冷静になったり……」と作品への強い思いをにじませていた。

 <プロフィル>

 いけだ・えらいざ 1996年4月16日生まれ。福岡県出身。2009年、ファッション雑誌「nicola(二コラ)」(新潮社)のモデルオーディションでグランプリを獲得し、モデルデビュー。11年に「高校デビュー」(英勉監督)で映画デビューし、15年には「みんな!エスパーだよ!」(園子温監督)でヒロインを演じた。17年の「一礼して、キス」(古澤健監督)で映画初主演し、同年の連続ドラマ「ぼくは麻里のなか」(フジテレビ系)でドラマ初主演した。

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