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映画「累 -かさね-」のビジュアル (C)2018映画「累」製作委員会 (C)松浦だるま/講談社
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映画「累 -かさね-」のビジュアル (C)2018映画「累」製作委員会 (C)松浦だるま/講談社

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注目映画紹介:「累 -かさね-」土屋太鳳×芳根京子 朝ドラヒロイン同士の鬼気迫る演技合戦

 女優の土屋太鳳さんと芳根京子さんがダブル主演の映画「累-かさね-」(佐藤祐市監督)が7日からTOHOシネマズ日比谷(東京都千代田区)ほかで公開された。天才的な演技力を持ちながらも醜い容貌の累(かさね、芳根さん)と、美貌を持ちながらも問題を抱えている舞台女優のニナ(土屋さん)が、謎の口紅の力を借りて顔が入れ替わるダークファンタジー。共にNHK連続テレビ小説(朝ドラ)でヒロインを演じた土屋さんと芳根さんの鬼気迫る演技合戦が見ものだ。

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 マンガ誌「イブニング」(講談社)で連載された松浦だるまさんのマンガが原作。コミックスは13巻までで累計発行部数は230万部を突破、最終14巻が7日に発売された。母が大女優で、自らも天才的な演技力を持ちながらも顔の大きな傷に劣等感を持ち続けてきた淵累(ふち・かさね、芳根さん)と、美貌の奥にある秘密を抱え、舞台女優として花開かずにいる丹沢ニナ(土屋さん)。2人は足りない部分を埋め合うように導かれて出会い、反発しながらも、互いの目的のために入れ替わることを受け入れる。累の母親が残した、キスした相手と顔を入れ替えることができる口紅の力を借りて……というストーリー。

 2人が共に思いを寄せる気鋭の舞台演出家・烏合零太を人気グループ「関ジャニ∞」の横山裕さん、累の亡母・透世(すけよ)を檀れいさん、透世と生前関わりがあり、累とニナを引き合わせたニナのマネジャー、羽生田を浅野忠信さんが演じ、筒井真理子さん、生田智子さん、村井國夫さんらも出演。テレビドラマ「ストロベリーナイト」シリーズ(2010、12年)や「キサラギ」(07年)などで知られる佐藤監督がメガホンをとった。主題歌はAimer(エメ)さんの「Black Bird」。

 2人1役という難しい役どころを土屋さんと芳根さんが見事に演じ切った。不思議な口紅をつけて入れ替わる際の2人のキスシーンには毎回ドキドキさせられた。顔が入れ替わった後に別人格が入り込んだ累とニナを土屋さんと芳根さんが、表情やしゃべり方、演技力まで変えている様子には本当に驚かされた。特に累がニナの顔で見せる劇中劇「サロメ」でのダンス「七つのヴェールの踊り」では、土屋さんが狂気をはらむ妖艶な表情を見せ、思わずスクリーンに引き込まれた。

 累の劣等感を、もっと業が深くダークな雰囲気で表現してほしかったが、少しライトな印象。エンターテインメントに仕立てるため、またラストのサスペンスフルな展開のためには致し方なかったか。とにもかくにも、土屋さんと芳根さんの確かな演技力でぐいぐい引きつける良質なエンターテインメント作に仕上がっている。(細田尚子/MANTAN)

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