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映画「ヴェノム」(ルーベン・フライシャー監督)が2日からTOHOシネマズ日比谷(東京都千代田区)ほかで公開される。スパイダーマンの最大の宿敵で、悪の魅力あふれるダークヒーロー「ヴェノム」の誕生を描いたマーベル最新作。凶悪な外見と卓越したユーモアセンスを持つヴェノムのキャラクターや、主役トム・ハーディさんの迫力のアクションシーンに引き込まれる。
正義感の強い敏腕記者エディ・ブロック(ハーディさん)は、人体実験で死者を出しているというライフ財団を追っていた。だが、財団トップのカールトン・ドレイク(リズ・アーメッドさん)への無謀な取材がもとで、エディは会社をクビになってしまう。
恋人とも別れ、自暴自棄になるエディは、財団の科学者ドーラ・スカース(ジェニー・スレートさん)の懇願で、真相を暴くために研究所への侵入を試みる。そこでエディは「シンビオート」と呼ばれる地球外生命体を発見し、接触してしまう。“シンビオート”はエディの体に寄生、「ヴェノム」として名乗りを上げる。そのグロテスクな体で相手を食らうヴェノム。自身をコントロールできなくなったエディは、次第にその圧倒的な力に魅了されていき……。
日本語吹き替え版では、ヴェノム役の声を歌舞伎俳優の中村獅童さん、エディ役を声優の諏訪部順一さん、エディの恋人のアン・ウェイング役をタレントの中川翔子さんが担当している。
大きく切れ込んだ白い目、耳まで裂けた口と鋭い歯、くねくねと動く長い舌。一度見たら決して忘れられない凶悪極まるビジュアルのヴェノムだが、ブラックユーモアのセンスに可愛げがあり、どこか親しみを感じてしまう。もちろんヴェノムならではのバイオレンスシーンも多数登場し、期待通り(?)のグロテスクな描写も満載だ。メインキャラが寄生されてしまうという内容から、シリアス一辺倒かと思っていたが、クスリと笑える要素も多く、鑑賞後は意外にも爽快な気分に浸れた。
ハイスピードかつアクロバティックなアクションシーンはさすがマーベル作品。特にバイクの追跡シーンは、スピード感にあふれ迫力満点だ。全体を通してダークな色調の映像も美麗で、大スクリーンで鑑賞するとその醍醐味(だいごみ)を堪能できる。(河鰭悠太郎/フリーライター)