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俳優の高杉真宙さん、加藤諒さん、ロックバンド「黒猫チェルシー」の渡辺大知さんがトリプル主演の映画「ギャングース」(入江悠監督)が23日、TOHOシネマズ 日比谷(東京都千代田区)ほかで公開される。犯罪集団だけを狙って窃盗を繰り返す「タタキ稼業」で過酷な社会を生き抜こうとする少年3人の姿を描く。
ルポライター・鈴木大介さんの「家のない少年たち」(太田出版)が原案。鈴木さんがストーリーを共同制作、肥谷圭介さんが作画を担当してマンガ誌「週刊モーニング」(講談社)で2013~17年に連載された同名マンガが原作。
親の虐待を受け、まともに学校へも通えずに少年院で青春期を過ごした情報収集・標的選定担当のサイケ(高杉さん)、工具全般担当のカズキ(加藤さん)、車両・機動担当のタケオ(渡辺さん)の3人。生きていくためタタ(強盗)稼業に手を染める。ある日、半グレ系犯罪営利組織「六龍天」が振り込め詐欺で得た金の隠し場所を偶然知った3人は、組織に身元がばれないようタタキを繰り返すが……という展開。
林遣都さん、山本舞香さん、金子ノブアキさん、篠田麻里子さん、ロックミュージシャンのMIYAVIさんらも出演している。
見た目のインパクトもさることながら、主役3人の鬱屈としながらも全身からほとばしるギラギラとした感情が伝わってくる演技が圧倒的。MIYAVIさん演じる六龍天のトップ・安達、金子さん演じるその部下・加藤ら、敵キャラにまで個性豊かなキャラクターがそろう。その演技に生々しさとパワーを感じた。
少年犯罪に関するルポが原案。友情や成長、カーアクションにバトルと、多彩な要素が散りばめられ、ユーモアを交えながらテンポよく進むストーリーには爽快感すら漂う。もしかしたら身近にもいるかもしれない少年たち……楽しさの裏にちょっとした怖さも感じた。(遠藤政樹/フリーライター)