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今週公開される映画の注目作をピックアップする「今週シネマ」。12日には、人気アニメ「名探偵コナン」の劇場版23作目「名探偵コナン 紺青の拳(こんじょうのフィスト)」(永岡智佳監督)、高良健吾さん主演の時代劇「多十郎殉愛記」(中島貞夫監督)が公開された。
「名探偵コナン 紺青の拳」は劇場版初の海外、シンガポールが舞台。コナンの宿命のライバル、怪盗キッドと劇場版初登場の空手家、京極真がキーパーソンとして大活躍する。19世紀末、海底に沈んだとされる世界最大の宝石ブルーサファイア「紺青の拳」を巡り、コナンと怪盗キッドが、シンガポールのリゾートホテル「マリーナベイ・サンズ」近郊で起きた殺人事件や巨大な陰謀に巻き込まれていく……というストーリー。
今回の見どころは何といっても天才マジシャンの怪盗キッドだ。ハンググライダーでシンガポールの空を縦横無尽に飛び回り、お得意の変装も駆使して神出鬼没。そんないつものカッコいい姿がたくさん見られる。それも楽しいが、予告編にもある通り、傷付いた姿も見せて、女性ファンなら母性本能をくすぐられること間違いなし。別タイプのイケメン、京極真の硬派なカッコよさも見逃せない。新一と蘭の恋愛要素、コナンくんのアクションなども盛り込んで、見どころ満載だ。
「多十郎殉愛記」は、「木枯らし紋次郎」(1972年)、「新・極道の妻たち」(91年)などを手がけた日本映画のレジェンド、中島監督が約20年ぶりにメガホンをとった。ヒロインには多部未華子さん。生きるか死ぬかの瀬戸際で見つける愛によって突き動かされる侍を、高良さんが色気たっぷりに熱演している。
幕末の京都。貧乏長屋に住む清川多十郎(高良さん)は、親の残した借金から逃れるために脱藩浪人となり、大義も夢もなく無為に日々を過ごしていた。ワケありの小料理屋女将(おかみ)・おとよ(多部さん)は、多十郎に思いを寄せ、かいがいしく世話を焼きながら見守っていた。その頃、京都見廻組が浪人の取り締まりを強化。多十郎に危機が迫る……という展開。
多十郎の腹違いの弟の数馬役に木村了さん、敵役の抜刀隊隊長・溝口蔵人役に寺島進さん。永瀬正敏さんが桂小五郎役で特別出演し、それぞれ存在感あふれる芝居を見せている。斬られ役でおなじみの福本清三さんの華麗な散り際や、テレビドラマ「暴れん坊将軍」シリーズなどの栗塚旭さんの円熟した芝居も見逃せない。