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俳優の横浜流星さんと中尾暢樹さんがダブル主演する映画「チア男子!!」(風間太樹監督)が10日から公開される。同作は、幼い頃から柔道を続けてきた坂東晴希が親友の橋本一馬(中尾さん)と共に男子チアチームの結成を目指す青春物語で、横浜さんは悩める大学生の晴希を演じる。ここ1年、映画「L・DK ひとつ屋根の下、『スキ』がふたつ。」や「虹色デイズ」など“青春モノ”への出演が続く横浜さんに、今作の撮影秘話や青春モノへの思いを聞いた。
◇“団体競技”の撮影で得たものは…
「チア男子!!」は、「桐島、部活やめるってよ」「何者」などで知られる直木賞作家・朝井リョウさんの小説が原作で、朝井さんが早稲田大学在学中に男子チアチーム「SHOCKERS」をモデルに執筆。これまでマンガ化やテレビアニメ化、舞台化されてきた。映画は、道場の長男として幼い頃から柔道を続けてきた大学1年生の晴希がけがをきっかけに柔道をやめ、一馬と男子チアチームの結成を目指す……というストーリー。同じチアチームの仲間として瀬戸利樹さん、岩谷翔吾さん、菅原健さん、小平大智さん、浅香航大さんも出演する。
映画では、チアリーディングは素人のメンバーが練習を重ねて上達していく姿が描かれる。公開されている予告編では、7人が見事に息の合ったパフォーマンスを披露しているが、横浜さんらもメンバーのように「(菅原さん演じる)イチロー(総一郎)以外はみんなバク転ができないところから始めたんです」という。そのため、クランクインの3カ月前から練習を開始。「3カ月練習してバク転もできるようになって。一番難しく、できたときに達成感やみんなが一つになれた感覚を覚えたのは、バックフリップと開脚トスですね。トス技は1人でも気が緩んでいると飛べないので、みんなが一つになった瞬間に初めてきれいに飛べるんです」と語る。
劇中では、メンバーに支えられた横浜さんが高く飛ぶアクロバティックな技を披露している。技が決まったときの感覚について、横浜さんは「自分たちがパフォーマンスすることでみんなが笑顔になってくれる。その笑顔が本当にうれしかったです」と相好を崩し、「高く飛んだところからは全体が見えるので、みなさんがちゃんと応援してくれている顔が見えるんです。1人で見ているけど、みんなを背負って、みんなで見ているような感覚になりました。すごく感動したし、初めてチアリーディングの演技を見たときに感じたような気持ちになりました」と振り返る。
ただ、やはりチアリーディング初体験ならではの怖さはあったという。特に、高く飛ぶポジションの横浜さんは「最初はちょっと怖くて。体重を預けないといけないところでも、自分でどうにかしていた部分があったんです。コーチに『そこは仲間を信頼して』と言われ、みんなからも『絶対キャッチするから』と言われて……それでみんなを頼れるようになったし、より信頼できるようになりました」という。最初のころは落下したこともあったというが、「コーチから『1回失敗して恐怖心を抱いちゃうとできなくなっちゃうから、何度もやったほうがいい』と言われて、5分後ぐらいに同じことをして、少しずつ恐怖心をなくしていましたね」と明かす。
横浜さんといえば、もともとは空手少年で、2011年には空手の国際大会で優勝した経験も持つ。個人競技の経験が生かされた部分はあったのだろうか。横浜さんは「団体競技の(メンバーを演じた)お陰で、より周りを見られるようになりました」という。「誰かの変化に気づいて声をかけるとか、そういうことができるようになりましたね。空手をやっていた頃は、団体競技に対して『みんなで楽しくやっているだけなんじゃないの?』とかとも思っていたんですが、覆されました。若い頃で孤独だったから余計にそう思っていた部分があったんですが。団体競技は、誰かが間違っていたら誰かがきっと指摘してくれるし、そういうことが大切だな、と。誰かが自分より頑張っていると思うと、より自分も頑張ろうと思うし、すてきだなと思いました」と語る。
◇「制服はまだ大丈夫」 “青春モノ”への出演の思い
今作のほかにも、2018年は映画「L・DK ひとつ屋根の下、『スキ』がふたつ。」や「虹色デイズ」など、青春モノに多く出演してきた横浜さん。こういった作品に出ることについて、「きっと25~26歳になったときはできない、今しかできないから。10代の頃や20代の最初の頃は『早く制服を着ないものに出たい』と思っていましたけど、先輩方から『キラキラできるうちにしといたほうがいい、そこで得るものもたくさんある』と言われたんです。それで『そうだよな』と思って。いつも、今しかできない、という思いでやってます」と胸中を明かす。
「ひげも濃くなって隠すのが大変になってきたけど(笑い)、まだ制服は大丈夫だし」と笑う横浜さん。一方で、「高校生役は高校生がやったほうがもっとリアルになるんじゃないのかなとか思うときもあります」とも言うが、「でも年齢を重ねたからこそ出せる高校生らしさもあると思うんです。現役高校生とは違う感じが出せればいいなと思っていますね」と前向きに語る。また、青春モノには高校生、大学生役を演じる楽しさもある。「中高からこの世界に入っているので、自分が味わえなかった青春を今、仕事で取り戻せているような感じです(笑い)。役者しか経験できないことですよね。違う人生を歩んで青春を味わえるので、すごく充実しています」と笑顔を見せる。
最後に、そんな横浜さんが思う、今作の「ザ・青春」シーンとは……? 「みんなで練習しているところもそうだし、盛り上がるところもですね」と明かし、「練習の部分はアドリブで演じているので、より思いますね。『わあ、青春してんな』と(笑い)」と楽しげに語った。