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俳優の藤原竜也さん主演の映画「Diner ダイナー」(蜷川実花監督)が7月5日から丸の内ピカデリー(東京都中央区)ほかで公開される。天才シェフで元殺し屋のボンベロ(藤原さん)が店主の殺し屋専用ダイナー(食堂)が舞台の、サスペンスエンターテインメント作。ヒロインの玉城ティナさん、ダイナーに集まる殺し屋役で窪田正孝さんら豪華キャストが集結。無国籍で非日常な世界で、振り切った演技を披露している。蜷川監督ならではの色彩豊かな美しい映像や独特の表現方法にも注目だ。
原作は平山夢明さんのサスペンス小説「ダイナー」(ポプラ文庫)。友達のいない孤独な人生を送ってきたオオバカナコ(玉城ティナさん)はある日、カウボーイ(斎藤工さん)とその恋人ディーディー(佐藤江梨子さん)が募集する怪しいバイトに手を出した。それがきっかけで、ボンベロが切り盛りする殺し屋専用のダイナーにウエートレスとして身売りされる。
心にトラウマを抱えたスキン(窪田さん)、見た目は子供でも残忍なキッド(本郷奏多さん)、ラテン筋肉系ブロ(武田真治さん)、美しい昆虫を愛するマテバ(小栗旬さん)。個性的な殺し屋の集まるダイナーで、ボンベロは絶対的な王として君臨していたが、カナコが来たことで殺し屋同士の暗黙のルールが崩れていき……。
カナコをダイナーに売り飛ばすブタ男役で金子ノブアキさん、殺し屋のマリア役で土屋アンナさん、無礼図(ぶれいず)役で真矢ミキさん、コフィ役で奥田瑛二さんらも出演している。
豪華キャストが集結した今作。殺し屋たちの名前を見ても分かるように、無国籍で非日常な世界観。各キャストが原作の雰囲気そのままに狂気に満ちたキャラクターを生き生きと演じている。中でも藤原さんはドSで冷徹でありながら、かすかに人間味も感じさせるミステリアスなボンベロを、玉城さんははかなくうちひしがれるカナコを、窪田さんは振れ幅の大きいスキンをそれぞれ好演。大音量のドヴォルザークが響き渡る中でのド派手なアクションにも引き込まれる。
毒々しい色の花にカラフルな食材やネオンなど、蜷川監督ならではの色鮮やかなビジュアルも大きな見どころで、実写ならではの魅力と言える。食堂を舞台にした作品とあって、バーガーやスフレなどの提供メニューも食欲を刺激する。(河鰭悠太郎/フリーライター)