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ムカつくヤツにはパンチをお見舞いし、時に暴言を吐くブサカワの“生理ちゃん”に振り回される女性をコミカルに描いた映画「生理ちゃん」(品田俊介監督、11月8日公開)で編集者の米田青子役を演じる女優の二階堂ふみさん。仕事に追われる青子同様、2020年のNHK連続テレビ小説「エール」の撮影も控え、多忙な日々を送る二階堂さんに、日ごろの健康法やオフの日の過ごし方、10年後の自分などについて聞いた。
◇女性同士では生理の話も普通にするが…
「生理ちゃん」で二階堂さんが演じているのは、女性ファッション誌の編集部でバリバリ働く青子。仕事やデートの最中にも、突然ピンクの巨大な“生理ちゃん”がやってきて、うんざりする場面も描かれる。二階堂さん自身は「生理」についてもともとネガティブなイメージはなく、「自分の体調の変化に気づけるし、デトックスの時期ですね」と前向きに考えている。「10代の時は生理が重くて、立てなくなるくらいひどいときもありましたが、布ナプキンを使うようになって症状が改善されたので、友達にも薦めたりしました」と振り返る。
普段から「女性同士では生理の話など体のことは共有します。あと、一緒にいた友達が突然生理になって、彼氏に『ナプキン買ってきて』ってお願いしたら、彼氏がサラッと『羽根付き?』って返していたことは世代の寛容さを感じました。きっとこの2人にとっては、このやりとりが日常なんだろうな」と感じ、「女性の体のことを一緒に考えてくれる男性が増えつつあることを実感できた瞬間だった」と語る。
◇健康法は「湯船につかること」
日ごろ心がけている健康法を尋ねると、二階堂さんは「湯船につかることです。さすがに毎日は難しくても、体の不調をちょっとでも感じたら必ず湯船につかるようにしています」。とはいえ、入浴自体を義務にしてしまうと、「それはそれでストレスになる」ともいい、「負担にならない程度にお風呂に入ってますね。銭湯がすごく好きなので、よく行ってます」と笑顔を見せる。
もともと「冷え症」だという二階堂さんは、靴下を4枚重ねばきしていた時期もあるといい、「でも、最近ちょっと面倒くさくなっちゃって……。なかなか続けられないんですよ」とちゃめっ気たっぷりに明かしつつ、「今は5本指ソックスをはいて、その上に1枚はいてます。腹巻きもしてます」と対策法を教えてくれた。
食事については「好きなものを好きなだけ食べる」のがモットーだという二階堂さんだが、「日本人女性の総摂取カロリーが戦後すぐの1946年の総摂取カロリーを下回ったというニュースを見て、衝撃を受けた」といい、「こんな飽食の時代に、他の誰かが決めた“キレイ”のために、女の子たちが自分を追い詰めたりするのはすごく嫌だな」と感じたという。
「肉付きがいい人もいれば、痩せ形の人もいる。痩せているからきれいなわけではなくて、人それぞれ違った魅力があると思う。最近はコレクションのモデルも多様化してきていますし」としながらも、「でも、実際スタイルがいい人に憧れる気持ちもちょっと分かるし、難しいですね」と悩ましげな表情も見せる。
◇休日の過ごし方は?
「古き良き時代の日本の文化に引かれます」といい、「最近も和家具を見に行きました。あとは美術館に行くのも好きで、(東京・)目黒の庭園美術館がお気に入りです」と話す。
とはいえ基本的には休みの日は「細かく予定を立てたりしない」といい、「ダラダラしてます。家にいるときは、基本は動物としか遊んでない(笑い)」と明かし、「ジジとゾイという名前のワンちゃん、猫ちゃん、フェレットちゃんもいます」と楽しそうに語る。
動物と過ごす時間が癒やしになっているのかと聞くと、「癒やされるというよりは、彼らと一緒に過ごすようになってから、いろんなことを教えてもらってるなあって、生活が豊になりました」と真摯(しんし)な表情で語った。
◇10年後は…
ライフスタイルは「住む場所も含めてすべて動物ファースト」だといい、「自分が心から気持ちよく使えるものが一番いいと思ってるので、コスメも非動物実験のものや、そういった取り組みをしている会社の製品を使うようにしてます」という徹底ぶり。それはファッションについても同様で、環境に配慮した服作りで知られる「『ステラ・マッカートニー』が好き」といい、「ステラの新作は毎回チェックしに行く」のだそう。
二階堂さんが動物保護に関心をもつようになったきっかけは、フェレットと暮らすようになってから。「こんなに自分にいろんなものを教えてくれる存在が、ファッションの犠牲になっていたことを知って衝撃を受けたんです。そこから保護犬や保護猫たちとの出会いもあって、自分なりにいろいろ調べるようになりました。いまは何を選ぶにしても、自分にとって動物のプライオリティーが高いですね」と話す。
10年後はどうなっているかと想像してもらうと、「35歳かあ……」と思いをはせつつ、「作品作りはすごく好きなので、お芝居を続けていけたらなあと思っているんですが、それと同時に動物保護に関することもやっていたい」と意欲的に語った。
「生理ちゃん」は、小山健さんのマンガが原作で、生理痛の原因を擬人化したキャラクターが登場する。2017年にウェブサイト「オモコロ」で連載がスタートし、2019年8月の時点で累計2000万PVを突破。2018年6月にコミックスがKADOKAWAから発売されて、重版されるなど話題になり、今年の第23回手塚治虫文化賞で短編賞に輝いた。マンガ誌「月刊コミックビーム」で連載中。二階堂さんは突然やってくる“生理ちゃん”に振り回されながらも、仕事や恋にひたむきに生きる女性編集者の米田青子をコミカルに演じる。ほかに、伊藤沙莉さん、岡田義徳さん、須藤蓮さんらが出演する。
<プロフィル>
にかいどう・ふみ 1994年9月21日生まれ、沖縄県出身。2009年に「ガマの油」でスクリーンデビュー。主な映画出演作は「ヒミズ」(2012年)、「ほとりの朔子」「私の男」(共に2014年)、「オオカミ少女と黒王子」「SCOOP!」「何者」(いずれも2016年)、「リバーズ・エッジ」(2018年)、「翔んで埼玉」「人間失格」(共に2019年)など。窪田正孝さんが主演する2020年のNHK連続テレビ小説「エール」でヒロインを演じる。
(取材・文・撮影:渡邊玲子)