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長谷川京子:40代迎え仕事観に変化「脱力感もポイントに」 連絡帳をチェックする母の顔も

 1月27日に世田谷パブリックシアター(東京都世田谷区)で幕を開ける舞台「メアリ・スチュアート」で、16世紀末のスコットランド女王メアリ・スチュアートを演じる女優の長谷川京子さん。41歳になり、2人の子供を育てながら初のタイトルロールを務める舞台に臨む。年齢を重ね、仕事観に「いい意味での脱力感がポイントになると思う」と変化が訪れたという長谷川さんに理想的な40代の過ごし方や、仕事に対する向き合い方などを聞いた。

 ◇40代はメリハリ&バランス重視「あえて休んで次に備えたい」

 2019年はNHK連続ドラマ「ミストレス~女たちの秘密~」で主演したほか、ガールズトークバラエティー番組「グータンヌーボ2」(カンテレ)でMCを務め、16年ぶりの写真集「Just as a flower」(宝島社)を発売するなど、大活躍した長谷川さん。10歳の男児と7歳の女児の母親でもある。

 40代を迎えて仕事に没頭できる環境が整いつつあるか聞くと「(子育てから)ちょっと抜け出せた感じはありますけど、子供を産む前と同じくらい余裕があるかっていうと、それは絶対にないですよ。家に帰ったら子供の連絡帳をチェックしなきゃいけないし、たとえ前日、仕事でどんなに寝るのが遅くなっても、朝は必ず早く起きてお弁当を作らなくちゃいけないし」と仕事でも家庭でも忙しく働く母の顔を見せる。

 理想的な40代の過ごし方は「ずっと打ち込みすぎると疲れちゃうから……。何かに集中的に打ち込んだら、あえていったん休んで、また次に打ち込めるように準備する。メリハリをつけてバランスよくやっていけたらいいですよね」と考えている。

 日ごろから「健康管理を心掛けている」が、ストイックに暮らしているわけではなく「大切なのは食事と睡眠、そしてストレスをためないこと。女友達と話すのが一番のストレス発散です」と明かす。美容法は「大事なのはオイルじゃなくて、水ですね。パックは毎日欠かさず、体も自分の手で触れてちゃんと愛情をかけています」とシンプルながら日々、丁寧なケアが中心だ。

 赤裸々なガールズトークが話題の「グータンヌーボ2」では、姉御肌の突っ込み役として支持を得ているが、実際の女友達の間では、どんなポジションなのかと尋ねると「割と核心をつくキャラ。時にはちょっぴり意地悪な視点で誰かを冷やかすことも、女同士の他愛のない会話においてはスパイスになる」とちゃめっ気たっぷりに語った。

 ◇仕事に「頑張った感」が必要だと思っていた過去 今では脱力感がポイントに

 舞台「メアリ・スチュアート」は、政変によって国を追われ、遠縁にあたるイングランド女王エリザベスのもとに身を寄せたものの、イングランドの王位継承権をもつメアリを恐れるエリザベスによって幽閉されたスコットランド女王メアリ・スチュアートの過酷な運命を描く。

 2011年に出演した舞台「淋しいのはお前だけじゃない」の公演中は「おなかに2人目の子がいたんです」と振り返った長谷川さん。舞台への出演は同年、「出産直後に、つかこうへいさんの舞台の再演『熱海殺人事件NEXT~くわえ煙草伝兵衛操作日誌』に出演して以来」というから、およそ9年ぶりとなる。

 9年ぶり、初めてのタイトルロールでも長谷川さんは「肩肘張らず、今やれることを精いっぱいやるだけ」と気負いがない。「若い頃は、お仕事をいただいた以上、せめて自分の中では“頑張った感”を出さないと、やった意味がないんじゃないかって思っていたんです。でも、いくら頑張っても認められない時もあるし、楽しんでやった時の方が意外と評価されたりすることもある。お仕事に対する熱量は同じでも、ちょっと肩の力を抜くことで現場に隙間(すきま)が生まれて、その瞬間に得られるものが多いような気もしていて。いい意味での脱力感がポイントになるんじゃないかと思うんですよね」と年齢を重ねて仕事観が変化した。

 一方で準備には余念がなく「女王らしく、堂々としたたたずまいでお芝居ができるように、体幹を鍛えています」と公演の約3カ月前にはトレーニングにいそしみ、映画や資料を通じて当時の宗教観や時代背景も学んでいる。「舞台はスケジュールが規則的なので、他の仕事より終わりの時間が読みやすい」と私生活とのバランスも取りながら、3週間の公演に臨む。

 (取材・文・撮影:渡邊玲子)

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