検索
映画「ムーラン」の日本版でムーランの声を担当した明日海りおさん
1 / 8

明日海りお:宝塚退団後の初挑戦は“孤独との闘い” 「余計な邪念は捨てて挑んだ」

Twitterでシェア

 元宝塚トップスターで女優の明日海りおさんが、主人公の声を担当したディズニーの実写映画「ムーラン」(ニキ・カーロ監督)が、現在、動画配信サービス「ディズニープラス」で配信中だ。2019年11月の宝塚退団後初めての仕事で、声優に初挑戦した明日海さんに話を聞いた。

 ◇初挑戦のアフレコ 痛感したことは…

 今作は、1998年公開のディズニーの劇場版アニメーション「ムーラン」の実写化で、愛する家族を守るために自分を男性と偽って戦地に赴いたムーラン(リウ・イーフェイさん)が、“本当の自分”と“偽りの自分”の間で葛藤しながら、一人の人間として成長する姿が描かれる。

 幼い頃からディズニー作品はアニメーションも実写も「欠かさず見てきた」という明日海さんは、「大好きな世界の作品のオーディションのお話をいただいて、うれしさもありましたが、びっくりしました」と振り返る。オーディションでは緊張したそうだが、見事、ムーラン役を勝ち取った。

 2003年に宝塚歌劇団に入り月組に配属され、2013年には花組へ移り、以来、2019年11月に退団するまで、5年半にわたって男役トップを務めてきた明日海さん。宝塚の舞台では、「その日の客席の雰囲気やノリ、その日の共演者たちやチームの舞台上の空気みたいなものを動かしていた」といい、目の前の観客から伝わる熱も演じる上で励みになった。

 一方、今回の「ムーラン」のアフレコでは、観客はもちろんいなく、録音ブースの中ではたった一人だ。その雰囲気に「なかなか慣れなかったです」と明かしつつ、「一枚壁の向こうにはスタッフさんがいらっしゃいますが、本当に孤独で、とても集中力がいりました。監督のアドバイスを逃さずキャッチして、すべて吸収して、余計な邪念は捨てて挑みました」と収録を振り返る。

 また、ムーランが水の入った桶を持って岩山を登るシーンで、最初に出した声が「桶がとても軽そう」に聞こえてしまった。日本版の監督から「すごく重い岩を持って、登っていったらどんな顔になる?」などとアドバイスを受けながら、「監督とセッションをするような感じ」で演じていったという。「舞台のように動けない分、余計に一つ一つの動きや、空間の匂いやその場の雰囲気、そういう想像力が、(声優には)必要なんだと痛感しました」と収穫を語る。

 ◇初挑戦でも生きた宝塚時代の“経験” 完成作に涙も

 それでも、宝塚時代の経験は役に立った。アクションシーンだ。10代の頃から舞台で、攻め、受け、やられ役など、たくさんの立ち回りを経験してきた。ただ、そこには、やられる側が、「『うわー』といいながら(舞台の)袖に入っていくのがうまければうまいほど、攻めている人が上手に見えるという仕組み」があり、「そういうものもすごくこだわって今までやってきたので、そのリアルな感じは、今回とっても役に立ちました」と振り返る。

 「あとは戦場での息遣いや掛け声。『うおー』という気合の入れ方みたいなものは、普通に女性として生活していたよりも、ずっとやりやすかったかな」と語る。

 声優全員の声が吹き込まれた映画を見た際は、「何度か涙を流してしまう」ほど感動したという。そして、今作のオリジナルとなる1998年公開のディズニーの劇場版アニメーション「ムーラン」と比較し、「今回(のストーリー)は少し大人っぽく、渋くなっている印象を受けました。ムーランが葛藤しながらも忠義、勇気、真実にちゃんと向き合って、次の一歩を踏み出す姿が絞り込まれて描かれていて、それがとてもすてきでした。あとは、やっぱり家族との愛や仲間との絆。見終わったときは、そういう温かさが胸にじわーっと広がりました」と感想を語る。

 今作のヒロイン、ムーランは、年老いた父の代わりに男性と偽って戦地へ赴くことで、“本当の自分”と“偽りの自分”の間で葛藤する。そこで、明日海さんに「自分に正直に生きれば敵を作ることになる」のと、「自分を偽って生きれば敵がいなくなる」のとではどちらを選ぶか聞いてみた。

 「究極(の選択)ですね」と苦笑しつつ、「私なら、ちょっと(自分を)偽るかも。だって、仲間を失ってでも自分を偽らないでい続けることなんてできませんから」と答える。「仲間」という言葉に、長く宝塚にいた明日海さんらしさが垣間見えた。

 *……映画「ムーラン」は動画配信サービス「ディズニープラス」で配信中。視聴には、会員料金のほかにプレミアアクセス料金2980円(税抜き)が必要となる。

エンタメ 最新記事

フォローしてね!

毎日キレイ Twitterはこちら

アクセス上位記事

このページのトップへ戻る