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中村ゆり:「なんだか私、平均点…」? 30代後半になり「自分の人生」に手応え インタビュー<中>

 女優の中村ゆりさんがビューティーモデルを務めた美容本「肌がきれいになる ――石けんオフメイク&知的スキンケア」(文藝春秋)が、このほど発売された。今年38歳を迎え、NHK連続テレビ小説「エール」や「未満警察 ミッドナイトランナー」「私たちはどうかしている」(ともに日本テレビ系)などの話題作に出演。雑誌ではビューティーモデルとしても活躍する中村さんに、スキンケアのルーティンや食生活、自身の生き方や女優業への思い、同書のテーマ「石けんオフメイク」などについて聞いた。全3回。

 ◇年齢を重ねて「身軽に」 今後は年相応の魅力を出せる人に

 「最近『自分らしさって何なんだろう』と考えることがあるんです。お仕事でもプライベートでも『なんだか私、平均点って感じ……。少し慎重になり過ぎていて、無難な方ばかり選んでるんじゃないか……』って」と明かした中村さん。一方で「それでも、30代後半になって、人生には悩みはつきものだと実感しているし、今ある充実しているはずの毎日を楽しめるようになれば、少しずつ自分の人生を切り開けているんじゃないかと思えるようになってきた」と手応えも語る。

 そして「これから40代、50代、60代と、さらに年齢を重ねていくにつれて、若い頃には見えなかったことが、だんだん見えてくることも、きっと増えると思うんです。いろいろと怖さも知った分、かえって身軽になったところもありますし。きっとこれからの人生で、もっと楽しいことを見つけていけそうな気がします」と目を輝かせる。

 またビューティーモデルなどを務めて、美容の知識が増えたことで「『自分が好きな美』みたいなものが、だんだん分かってくるようになった」という。「年上の魅力的な女性に出会うと『私もあんなきれいな肌でいたいな』『あの人の笑いジワって、すごくすてきだなあ』って思うんです。成熟した内面を持つ大人の女性には、内側から醸し出される魅力がある。そういった意味ではあまり若さに固執しすぎることなく、年相応の魅力が出せるように、年齢を重ねていけたらいいなと思っています」と理想を語った。

 ◇本や映画の趣味は「小難しいおじさん」? 人の内面や人格形成に好奇心

 好きな本や映画について聞くと「中学生くらいの時から、少女マンガを読むよりはドキュメンタリーを見たいと思うようなところがあって、小難しいおじさんが好きそうなテイストのものが好みなんですよ」と照れ笑いし、「それが今の仕事に良い意味で生かせているなあと思うこともありますね」と語る。

 そして「若い頃はモヤモヤと思い悩みがちだから、自分探しのように文豪と言われる人から現代まで、いろんな本を読みました。太宰治の本も読んでいたし、女性作家の作品では桜木紫乃さんの小説が好きですね。今は民族関係の本を読んだり、いろんな事件を追ったルポルタージュも読んだりしています。最近は『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』を映画館に見に行きました。会話が高等すぎて完全にはついていけなかったのですが(笑い)。あの当時の大学生たちの熱量に圧倒されたというか、あそこまで社会のことを考えていたんだということに、ものすごく胸を揺さぶられました。あとは『マルモイ ことばあつめ』という韓国映画も素晴らしかったですね」と好みの作品を挙げた。

 「私は何でも理由が知りたいと思ってしまう方」といい、「それまで知らなかったものごとに触れると、一気に視野が広がる感じがするんです。『なぜこの人はここまで行き着いてしまったのか?』ということをさかのぼっていくと、そこには複雑な背景があるんですよね。昔から、人の内面とか『どうやったらこういう人ができあがっていくのか?』ということに、すごく興味があって……私が女優の仕事をしている理由も、きっとそこから来ているのかもしれない」と自らを振り返った。

(取材・文・撮影/渡邊玲子)

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