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「肌がきれいになる ――石けんオフメイク&知的スキンケア」でモデルを務め取材に応じた中村ゆりさん
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「肌がきれいになる ――石けんオフメイク&知的スキンケア」でモデルを務め取材に応じた中村ゆりさん

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中村ゆり:女優業に怖さと喜び「どんな仕事にも必ず二つの面がある」 周囲に甘えてサポート得ることも インタビュー<下>

 女優の中村ゆりさんがビューティーモデルを務めた美容本「肌がきれいになる ――石けんオフメイク&知的スキンケア」(文藝春秋)が、このほど発売された。今年38歳を迎え、NHK連続テレビ小説「エール」や「未満警察 ミッドナイトランナー」「私たちはどうかしている」(ともに日本テレビ系)などの話題作に出演。雑誌ではビューティーモデルとしても活躍する中村さんに、スキンケアのルーティンや食生活、自身の生き方や女優業への思い、同書のテーマ「石けんオフメイク」などについて聞いた。全3回。

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 ◇「今ではすっかり周りの人たちに甘えちゃっています」 苦手な役は“できる女”

 中村さんは2007年の映画「パッチギ!LOVE&PEACE」で注目されて以降、さまざまな映画、ドラマ、舞台、CMに出演。今年は民放で初めての主演連続ドラマ「今夜はコの字で」(BSテレ東)も放送された。

 女優の仕事は天職に映るが「正直なところ『私、本当にお芝居するのが好きなのかな』って、最近考えるんですよね」と笑顔で打ち明ける。

 「自分のメンタルを削りながらやっているので、大人になればなるほどプレッシャーを感じますし、ずっと怖いと思いながらお芝居しているんです。でも『じゃあ、なぜ私はこの仕事を続けているんだろう』って改めて考えてみると、人の心が知りたいという欲求が強いからなのかもしれない……って気づいたんです。だからきっとお芝居そのものより、作品自体に興味があるんだと思う」と胸の内を明かす。

 さらに「もちろん素晴らしい作品に参加できた時に高揚感を感じることもあります。自分がお芝居している時には『うわー、今日は上手にできなかったなあ』って落ち込むことの方が多くて……」という。

 一方で「現場の方たちと一緒に作り上げていくこと自体はすごく楽しいし、最近は堂々と周りに頼れるようにもなりました。『私、多分ここ絶対苦手だと思う』って言うと、周りがサポートしてくださるんです。昔は『なめられちゃいけない!』と思っていたから、弱音を吐いたり周囲に相談したりできなくて、現場でもあまりしゃべらなかったんです。でも、今ではすっかり周りの人たちに甘えちゃっています」と屈託のない笑顔を見せた。

 演じるのが特に難しいと感じる役を聞くと、「年齢的にも年々そういう役柄を求められることが増えてきているんですけど……」と前置きしつつ、「いわゆる“できる女”を演じるのが苦手なんです(笑い)。たたずまいからして、自分の中に流れるものがないので『どんなふうに演じれば“できる女”に見えるのかなあ』って思いながら、お芝居をしているんですが、そういうときはやっぱり自分でも『『へただなあ』って思ってしまうんですよね」と苦笑い。率直な思いを明かした。

 ◇高峰秀子のエッセーから学び 女優、ビューティーモデルへの責任感も語る

 中村さんは、戦前・戦後を中心に活躍した女優・高峰秀子のエッセーを愛読。「あの時代の女優さんたちは、今とは比べ物にならないくらい、いろんなものを背負いながら女優業をやっていらっしゃったと思うんです。女優の仕事が、生きていく上での切実な選択肢である場合と、『お芝居が大好きで女優をやりたいです!』という人とでは、“深み”みたいなものが全然違ってくるというか……」と話し、「学ぶことが多い」という。

 自身は「女優の仕事をするからには、ちゃんと人間としても成長していかないと、それがすべてお芝居にも出てしまう気がするんです。お芝居って『その人が見える』ものでもあるので、いろんな方の人生の背景を知ることは、役者のお仕事にとってもすごくプラスになっているんじゃないかと思いますね」と考えている。

 これからもずっと女優の仕事を続けていきたいかと尋ねると「どうでしょうねえ」と笑い、「正直これからどうなるかは全く分からないですけれど、続けていくからには続けていくなりの『やらなきゃいけない責任』みたいなものはすごく感じていて……。そのためには心身ともに常に健康でニュートラルな状態で居るべきだと思うし、ビューティーのお仕事をいただいている以上は『体もお肌もちゃんとケアしておかないと』という気持ちももちろんあるんです」と責任感の強さをにじませる。

 そして「いつか本当にくたびれて『もうイヤだ!』って言い出す日がくるかもしれないし……。日々、怖いなと思いながらも、いろいろなことに挑戦して、それを飛び越える素晴らしさも見せてもらっています。結局はどんな仕事にも必ず二つの面があるってことなんでしょうね」と思いをはせていた。

(取材・文・撮影/渡邊玲子)

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