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コロナ禍の静かな年末年始。「Hulu(フールー)」などの動画配信サービスを利用して、映画をイッキ見するのも一興だ。アン・ハサウェイさん、ケイト・ハドソンさん、サンドラ・ブロックさんら人気女優が働く女性を演じ、ストーリーもファッションも楽しめる4作品をピックアップ。主人公が仕事やプライベートを充実させようと奮闘する姿に励まされそう。前後編で取り上げる。(りんたいこ/フリーライター)
◇社長アン・ハサウェイと見習い社員デ・ニーロの友情 働くママがお手本にしたいファッションも 「マイ・インターン」
ハサウェイさん演じる、創業間もないファッションサイトの社長と、ロバート・デ・ニーロさん演じるインターン(見習い社員)の友情を描いた心温まる作品「マイ・インターン」。デ・ニーロさん扮(ふん)するシニア世代の男性の言葉や振る舞いには、ためになることが詰まっている。幼い娘の母親でもあるヒロインが着る服は、働くママたちの参考になりそう。
ファッションサイトを立ち上げ、経営者としてバリバリと仕事をこなしていたジュールズ(ハサウェイさん)は、やりたいことが多過ぎてスケジュールは分刻み。それらをすべて自分のペースで運ぼうとするため、社員はついていくのがやっと。そんな彼女に、シニア・インターンとして雇われたベン(デ・ニーロさん)がアシスタントとして付くことになる。自分のペースを乱されるからと、40歳も年上のベンを最初は敬遠していたジュールズも、彼の人柄の良さと的を射た言葉に触れ、次第に頼りにするようになる。
ベンがジュールズに、部下の頑張りをそれとなくほのめかす場面は、私たちにも他者を気遣う大切さを省みさせてくれる。ハサウェイさんに輪をかけてチャーミングなデ・ニーロさんがすてきで、2人が育む友情がほほ笑ましい。
ジュールズはファッションに精通しているだけあって服選びのセンスは抜群。社長という役職柄、黒と白を基調にしつつ、赤や紅紫色のパンツやジャケットをコーディネートするなどシックにまとめている。デザインも、プリーツスカートや、襟や袖口が別布でパイピングされたコートなど、細部にこだわりが効いている。上品でありながらクールな装いを心掛け、セリーヌやサンローラン、バレンチノ、エルメスといったハイブランドのアイテムを取り入れつつ、キメ過ぎないスタイルは好感が持てる。
◇サンドラ・ブロックが“しゃれっ気ゼロ”のFBI捜査官に 変身後のゴージャスな姿に驚嘆 「デンジャラス・ビューティー」
潜入捜査のためにミスコンテストに出場することになったサンドラ・ブロックさん扮するFBI捜査官。それまで女を捨ててガシガシ働いていた彼女が、プロの美容コンサルタントによって変身していく「デンジャラス・ビューティー」。サバサバした性格のヒロインが魅力的だ。
FBI捜査官のグレイシー・ハート(ブロックさん)は、頭脳明晰(めいせき)、格闘をさせれば男も打ち負かすパワフル・ウーマン。同僚の男性捜査官からも一目置かれている。ある日、手配中の爆弾魔の次なるターゲットがミス・アメリカ・コンテストと知った捜査班が、グレイシーを出場者として送り込むことに。ミスコンを軽蔑し、最初は抵抗していたグレイシーだが、渋々ながら出場を決め、プロの美容コンサルタントによる改造計画が実行に移される。
グレイシーは、磨けば光る原石の持ち主。案の定、美容コンサルタントの指南によって見事に変身していく。でも、彼女がかっこいいのは外見のせいだけではない。自分流の信念を貫きながらも、己の過ちや偏見を潔く認め、それを捨て去る広い度量を持っているから。他者への配慮も忘れない。そんなグレイシーから見習うことは多い。
黒のパンツスーツに白いシャツ、Tシャツにジーンズが仕事着のグレイシー。しゃれっ気もなければ化粧っ気もなし。そんな彼女が、ボディーコンシャスなミニ丈ワンピースをさっそうと着こなすほどに大変身。アンヘル・サンチェスのピンクのロングドレスや、ビーズを使ったゴージャスなドレスも目の保養になる。キャンディス・バーゲンさん演じるコンテスト理事長の、バッジェリー・ミシュカやリチャード・タイラーのスーツやドレスを取り入れたエレガントな着こなしにも注目したい。
*…いずれも「Hulu」で配信中