教育バラエティー番組「世界一受けたい授業」に出演する産婦人科医の高尾美穂さん=日本テレビ提供
教育バラエティー番組「世界一受けたい授業」(日本テレビ系、土曜午後7時56分)の4月10日放送回で、女性特有の悩みを特集する。産婦人科医で、スポーツドクター、ヨガ講師でもある高尾美穂さんが「今、男性にも知ってもらいたい! 女性特有の悩みと改善法」と題した授業を行い、生理痛やPMS(月経前症候群)、更年期障害など、女性特有の体の悩みを改善するさまざまな方法を教える。放送を前に高尾さんのインタビューが公開された。
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インタビューは以下の通り。
--いま生理についての話題が盛り上がっている理由はなんでしょうか。
高尾さん(以下同) (東京五輪に向けて)女性アスリートが活躍できるようになってきたことが、一つのきっかけだと思いますね。なぜかというと、アスリートにとって障害になっているのが生理なんです。これまで日本の女性アスリートたちは、困っていながらも生理について口にすることがなかったんですが、きちんと対策を打つをことによって『パフォーマンスを上げられる』と、言える時代になってきました。
オリンピックへの準備期間だったこの5~6年で、女性アスリートへの支援が増えたことに伴って、生理への対策をきちんとすることでパフォーマンスがとても違うということに気がついてもらえた、体に目を向ける機会になったんじゃないでしょうか。
生理は我慢するものから、『病気』として扱われるようになった。『病気』だから対策すれば、改善することもできる、そう考えています。
--生理について語ることは、日本ではまだどこかタブー視されています。
世界と比べると日本の女性の性や体についての理解が遅れているのは確かです。それは、一つには教育現場であまり教えてこなかった経緯があります。お母さんが『生理は我慢しなさい』と自分の経験をお子さんに教える形で、それぞれの家庭に任せていた。
自分の生理のことについて、お母さんがお父さんへ話さないように、娘も生理を語る機会がないということが長らく続いてきていたんです。
--女性が生理について知り対策を立てることも重要ですが、男性が知っておくべきことはあるのでしょうか。
家庭では、男性に優しさがあっても実際に何をしたらいいのか分からない方が多いと思うんですよね。生理で体調が悪い、精神的にイライラしているのかな?と感じたら、女性に対して『何かできることはある?』と聞いてみるといいと思います。そうすれば『お風呂を洗っておいて』とか、『今日は、ご飯作りたくないんだけど』とか、具体的に言葉が返ってくる。
かける言葉は、何でもいいんです。『調子が悪いことに気がついてるよ』って伝える。それが一番いいんじゃないかなと思います。
職場は、プロフェッショナルとして働く人が集まっている場なので、本来は自分でコンディションを管理するところまでが仕事だと私は思っています。ただ、そうはできない状態も多い。上長が男性の場合は、生理への気遣いも言い方やタイミングを間違えるとセクハラになってしまうこともあるので本人には直接言わず、間に人を入れて、『○○さん、調子悪そうだけど何かできることがあるか聞いておいて』とするのがいいのではないでしょうか。
運動指導でも監督が男性で、アスリートが女性のチームだとあり得る話です。生理中にパフォーマンスが下がるとやる気がなさそうに見えたりします。監督は『やる気ないなアイツ』とは思わないで、『何で調子が悪いんだろう?』と他のチームメートや女性スタッフに間に入って聞いてもらうことおすすめします。
--女性が知っておくべきことは何でしょうか。
女性の20~40代は、女性の人生でキラキラした年代じゃないですか。恋する、お母さんになる、働いてキャリアを積む……そういった時期に生理と向き合う。厳しいかもしれないけどできることがいっぱいある時代だから、自分の希望をかなえてほしいんですよね。生理痛を放っておくんじゃなくて原因が何か探してみる。対策はないか探してみる。周囲にヘルプを求める。家庭でも職場でも学校でも同じです。いま時代は明らかに変わっています。何回も言いますが、女性はまず女性の体を理解する。それに対する対策も理解する。そして、それをちゃんと容認する社会になってほしいなという思いはすごくありますね。
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