「映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園」に出演する仲里依紗さん
女優の仲里依紗さんがゲスト声優として出演する「映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園」(高橋渉監督)が、7月30日に公開された。仲さんが演じるのは、素行は悪いが多様な才能を持つエリートギャル・アゲハ。同作の主人公で“日本一有名な5歳児”野原しんのすけが「理想の息子」という仲さんに、しんのすけの魅力や自身の家族と野原家との共通点、子育てのモットー、話題のYouTubeチャンネルの裏話、アゲハ役への思いなどについて聞いた。(全2回)。
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◇142万人突破のYouTubeチャンネル 「手ごたえがあるからこそ頑張れる」
主演から脇役、ヒューマンドラマからサスペンス、コミカルな作品まで、女優として幅広い活躍を見せる仲さん。昨年4月にYouTubeチャンネル「仲里依紗です。」を開設し、活躍の幅を広げている。
同チャンネルは、約1年3カ月で登録者数が142万人を超える人気チャンネルに急成長。女優業、子育て……と忙しい合間を縫って、自ら企画を考え、撮影、編集作業をしているため、YouTubeのために睡眠時間を削られることもあるが、「楽しみに待ってくれている人がいるから頑張れる」と視聴者の存在が制作のモチベーションになっていると話す。
「最初は周りから『そんなのやめときなよ』とか『絶対に無理だ』って言われたこともあったんですけど、やっているうちに編集作業もどんどん早くなってきて、最近はコツをつかんで少しずつ余裕が出てきたんです。あれこれ工夫しながら続けられていますね。不可能を可能にすると“無敵”になりますよね」と大きな手応えを感じている。
さらに、新たな発見もあったという。
「女優のお仕事は、求められたことを完璧にやらなきゃいけないけれど、自分が出ているシーン以外は、基本的にお休み。でも監督さんは、その作品の全てを見ている。実は『監督さんって、なんであんなに頑張れるんだろう?』って思うこともあったんです。それが、YouTubeを始めて、大変さの中に喜びを見いだせるようになったし、責任もある分、認められた時の喜びや達成感も倍になるんだなって実感しています。
だから、今は『いつも監督ありがとう!』って今まで以上に思えるし、見てくれた人たちからの反応があるから頑張れるんだっていう気持ちもよく分かる。手ごたえがあるからこそ、つらいことも頑張れる」と作り手の面白さを味わったことが、女優の仕事にも生かされているようだ。
◇「ダブルで夢がかなった!」 大好きな「しんちゃん」で念願のギャル役
今回の声優としての出演を「ずっと会いたかったしんちゃんとの共演で、しかも私が長年憧れていた“ギャル”になれるなんて、まさに一石二鳥の『夢がかなった!』感じ。お話をいただいたときはうれしかったです」と喜んだ仲さん。「できることならもっとやりたかったし、(映画の)イベントも、ずっと(アゲハをイメージした)制服姿でいいくらい」と笑顔をはじけさせる。
“エリートギャル”というアゲハの役づくりにあたっては「ギャップ萌(も)え」を狙ったといい、「話し方の中に、ちょっとスパイスを入れて『ちょっと転がったらエリートに見えるかも?』という微妙な塩梅(あんばい)を目指しました」という。
「『私、今しんちゃんとしゃべってるよ!』って感動しました」と、しんちゃんをはじめとする、おなじみのキャストとの掛け合いも楽しんだ。アフレコ時には、作品の絵が完成しておらず、「未完成のものを目にしただけでも、ファンとしては『すごい!』って感じだったんです。『しんちゃんって、こんなふうにできあがっていくんだ!』って裏側をのぞくこともできて、さらにうれしくなりました」と振り返った。
◇「親目線」と「等身大の子供目線」で楽しみも倍に
「クレヨンしんちゃん」の魅力について、仲さんは「しんちゃんは、いつも真剣にふざけてる。(視聴者の)子供ですら『さすがにそれはちょっと大丈夫かな?』って思うようなことでも、平気な顔でやっちゃうから、みんなハラハラして夢中になっちゃうんじゃないかな」と挙げる。
「私は大人になっても変わらずおふざけが大好き」としんちゃんとの共通点を話しつつ、1児の母親でもあることから、「今では(しんのすけの母)みさえや(父の)ひろしといった親目線で『ああ、ここ共感するなあ』って思う部分もありますね。しんちゃんのことを等身大で見ていた子供時代より、大人になってからの方が、一層楽しみ方が増えました」と話した。
今回の映画は、シリーズ初の本格(風)学園ミステリー。しんのすけたちカスカベ防衛隊が小中一貫校の天カス学園に体験入学することになり、そこで起こる謎の怪事件に巻き込まれる……と展開する。
仲さんは「謎解き要素がテーマになっていて、冒頭からミステリーな感じ」と異色作であると説明。ポスターなどにも登場する学生服姿のしんちゃんについて「学生服を着ているしんちゃんって、『クレヨンしんちゃん』の映画史上初なんです! 私にとってはそこもポイントが高いです。だってレアじゃないですか。幼稚園児が学園モノをやるという、一歩進んだしんちゃんと共演できたことに対する喜びが大きいですね」と目を輝かせた。
タレントのフワちゃんが本人役で声優として出演することから、「いつかフワちゃんみたいに本人役でも出演したい!」と意欲的。「たとえば、みさえが見ているテレビドラマに登場して『また仲里依紗、不倫の役やってる~! しんちゃんは見ちゃダメよ~』とか、みさえに言われてみたいですね」とちゃめっ気たっぷりの笑顔を見せた。
(取材・文・撮影/渡邊玲子)
*…高橋渉監督の高ははしごだか
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