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浜辺美波:自分の声は「好きでもあり、嫌いでもある」 「ゴッホ展」で音声ガイドに

 女優の浜辺美波さんがアンバサダーと音声ガイドナビゲーターを務める展覧会「ゴッホ展――響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」が9月18日に東京都美術館(東京都台東区)で開展する。「好きでもあり、嫌いでもある」という自身の声や、初めての音声ガイドの収録で心がけたことなどを聞いた。

 ◇仕事とプライベートで違う声に 「自分の地声が見つけづらい」

 自身の声には、「ハスキーとまではいかない、ハスキーのような部分があると思っています」と話す浜辺さん。小学生の時、音楽の授業で振り分けられたのはアルトのパートだった。「たぶん、声は高くないのだと思います。聞こえづらい、遠くに響かない声。好きでもあり、嫌いでもあるかな」と分析する。

 「息づかいの多い声なので、長く話していると酸欠のようになってつらいときもあります。そういう意味であまり好きではないのですけれど、声をほめていただける機会も多いですね」と語る言葉に複雑な心境がのぞく。

 演じる仕事では「一つのセリフを言っても、声の質によって伝わり方が違ってくる」といい、「私の声は、向いている場面と向いていない場面がとても多いと思っています。高い声も低い声もある程度出るので、そこは便利だなと思う半面、どの声が自分の地声なのかが見つけづらいんです」とジレンマを感じることもあるという。

 一方で「声の高さは意外と無理なく変えられる」といい、トーク中心のバラエティー番組などでは、「(相手の)耳に届くように、高く声を出して、あえて音をまとめるようなイメージで話す」ようにしている。今回のインタビューでは、落ち着いた、耳にしっとりなじむトーン。普段の生活や自宅では、「今よりもう少し声が小さくて、(トーンは)高いくらいです。なるべくカロリーを消費しない話し方をしています」と明かした。

 ◇初めての音声ガイド 「敷居が高いイメージを取り除きたい」

 展覧会では、オランダ・オッテルローにある「クレラーミュラー美術館」に収蔵されるコレクションから、フィンセント・ファン・ゴッホの油彩画28点と素描・版画20点などを展示する。音声ガイドナビゲーターは、浜辺さんと、舞台「刀剣乱舞」などで知られる2.5次元俳優の鈴木拡樹さんの2人が務める。

 浜辺さんはこれまで、ドキュメンタリー番組や教育番組でのナレーションの経験はあるものの、展覧会の音声ガイドナビゲーターを務めるのは初めて。鈴木さんが、ゴッホに扮(ふん)してゴッホの言葉を紹介し、浜辺さんは「クレラーミュラー美術館」を設立したヘレーネ・クレラーミュラーの人物像やヘレーネから見たゴッホなど、ヘレーネにまつわる解説を担当した。

 心掛けたのは「ゆっくりと読み上げる」こと。「美術館で流れるものですし、絵画を楽しんでいただくための説明なので、(声が)明るすぎたり、(美術館の)雰囲気を壊したりすることはしたくありませんでした。当初、想像していた以上にゆっくりと読み上げるようにしました」と、聞きやすさを意識して収録に臨んだ。

 「ヘレーネに何があったとか、ヘレーネが送った手紙の内容、(ゴッホの)絵画との関係性についての説明が多いのですが、悩んでいるシーンでは、声のトーンを暗くしたり、邪魔にならない程度にヘレーネの感情を込めたりする」など、展示される作品によっての変化を工夫した。

 今回の展覧会について「16年ぶりに来日する作品もあるので、この機会に、いろんな方々に足を運んでいただきたいです。美術館やゴッホ展というと、若い世代の方々には、少し敷居が高いイメージがあると思いますが、私が音声ガイドナビゲーターを務めることで、少しでもそういうイメージを取り除いて、気楽に見に来ていただけたらうれしいです」とアピールした。

(取材・撮影・文/りんたいこ)

 *……「ゴッホ展――響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」は東京都美術館で9月18日~12月12日に開催。観覧料は一般2000円、大学・専門学生1300円、65歳以上1200円、高校生以下無料(日時指定予約が必要)。公式サイト、各種プレイガイドで販売している。詳細は公式サイト(https://gogh-2021.jp)に掲載されている。

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